新たな窓の発生と陰線の連続発生は何を意味するのか

先週2月2日まで日経平均は27,500円乗せ、目前で押し返されるとともに多くの陰線が発生していました。しかし、週末2月3日にわずかに27,500円を上回って終えると、今週に入って窓をあけて上昇し、一時27,800円台に乗せる場面がありました。

では、今回発生した窓はどの種類の窓になるのでしょうか。これは、過去の値幅の範囲内で発生していることから、コモンギャップ(=普通の窓)であると思われます。

ただし、ローソク足を見ますと、窓をあけて陰線が2日連続で発生しており、売り圧力が強いことが推察されます。今週に入って株価水準を切り上げているにもかかわらず、連続して陰線が発生しています。

仮に売り圧力の強さを表している陰線だとした場合、注意したいのは下方向の窓埋めです。今のところ、5日移動平均線上を維持していることに加え、5日移動平均線が上向きとなっていますので、短期的な上昇トレンドが継続中と考えられます。

そのため、5日移動平均線上を維持できるかが、株価水準を切り上げるカギになるのではないかと思われます。

5日移動平均線上を維持するようですと、2022年12月15日と16日にあけた窓を埋めることが考えられるとともに、大きなレンジの上限に接近したり、上回ったりすることも視野に入りそうです。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓

5日移動平均線割れと200日前の株価水準に注目

しかし、5日移動平均線を下回ってしまった場合はどう考えれば良いでしょうか。そこで注目されるのが前回のコラムで解説した、200日移動平均線と株価の位置関係です。

このチャートには当日のローソク足から200日前が示されていますが、5日移動平均線を下回るとともに5日移動平均線が下向きに変化するようですと、上向きに変化した200日移動平均線に接近することが考えられます。

200日前の株価水準を見てみると、27,000円前後で推移しています。この水準を下回ることがなければ、200日移動平均線の上向きが続くことになり、グランビルの法則通り200日移動平均線に接近したところから、反発に向かったところは買いタイミングと言うことになるのではないかと思われます。

ただ、窓について思い出してみてください。200日移動平均線の下には3つも埋まっていない窓が発生しています。この窓を埋めるような水準まで下落することになりますと、200日移動平均線が下向きに変化することが考えられるのです。

そのため、5日移動平均線を割り込んで戻せなくなったり、200日移動平均線も下回って戻せなくなったりするようですと、1月17日と18日にあけた窓を埋める水準まで下落する可能性が高まりますので、買いポジションを持っている投資家は注意したいところです。