200日と5日移動平均線上を維持して窓を埋める

1月相場が終わりましたが、前回の本コラムで指摘したように日経平均は上向きの5日移動平均線上を維持して推移したことから、一時27,500円に乗せ、2022年12月16日と19日の間にあけた窓を埋める結果となりました。

ただ、5日移動平均線上を維持したものの、終値で27,500円を回復することができておらず、27,500円が上値の壁になっているように思われます。

そのため、1月31日は取引終了にかけて売り物に押されるとともに、緩やかな上向きを続ける5日移動平均線をわずかに下回って終える結果となっているのです。

こうした状況になると警戒されるのが、5日移動平均線上を早期に回復できるかです。27,500円を上限に上値を押さえられていることを考えますと、早期に回復できない場合、5日移動平均線が下向きに変化して上値の抵抗になったり、緩やかな下向きを続ける200日移動平均線に接近したりすることが視野に入るのではないかと思います。

さらに、200日移動平均線の向きを見ますと、緩やかな下向きとなっており、以前に解説したグランビルの法則が思い出されます。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い丸=埋まった窓

5日移動平均線上を回復して下向きを続ける200日移動平均線上を維持できるか

グランビルの法則とは、移動平均線の向きや株価との位置関係からトレンドや売買を判断するもので、売りと買いのパターンがそれぞれ4つあります。そのなかの売りシグナルの1つに「下向きの200日移動平均線を上回って維持できなった場合は売りシグナルと判断する」というものがあります。

先週1月25日から31日までの値動きは、緩やかな下落を続ける200日移動平均線を上回っているものの、27,500円が壁となっており、5日や200日移動平均線を下回って戻せなくなるようですと、グランビルの法則の売りシグナルが発生してしまうことが考えられます。

200日移動平均線割れと窓埋めに要注意

200日移動平均線を下回って売りシグナルが発生した場合、1月20日から24日までにあけた2つの窓を埋めることも視野に入ります。一方、5日移動平均線上を回復して維持するようですと、2022年12月15日と16日にあけた窓を埋めるとともに、28,000円台回復が考えられ、大きなレンジの上限に近づくことが期待されます。

このように値動きが膠着状態に陥っているとき、上下どちらにトレンドが発生するかで、逆のポジションを持っている投資家は損失が発生したり、拡大したりすることが考えられます。そのため、トレンドがはっきりするまで大きなポジションを持たないよう注意する必要があると思われます。

果たして上下どちらに動き出すのか、今週も目が離せない1週間になりそうです。