モトリーフール米国本社、2023年1月31日 投稿記事より

主なポイント

・2022年、S&P500は2008年以来最低のパフォーマンスを記録
・S&P500はこれまで、大幅に下落した翌年におおむね急反発している
・1919年以降、S&P500の20年リターンは、すべての期間においてプラスリターンを生み出している

過去1世紀にわたって安定した利益を生み出してきた投資戦略

多くの投資家にとって、2022年は並外れて困難な年でした。過去40年間で最悪のインフレと、それに続く米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げをめぐる、経済の不確実性が足かせとなり、S&P500は弱気相場入りしました。同指数は最終的に、年間で19.4%下落し、2008年のグレート・リセッション以来最も低い年間パフォーマンスとなりました。

幸いなことに、2023年は良い年になると言える理由があります。投資家として、押さえておきたい点は以下の通りです。

歴史が正しければ、S&P500は2023年に急反発する可能性がある

1957年の設定以来、S&P500が19.4%を超える下落を記録した年は3回しかなく、いずれも深刻な経済的逆風がきっかけでした。

1974年には、対米石油禁輸措置に伴ってインフレ率が2桁台となった影響で、同指数は29.7%下落しました。2002年には、ITバブルの影響がハイテクセクターから経済全般に波及し、同指数は23.4%下落しました。そして2008年には、米国の住宅市場の崩壊が世界金融危機に発展し、38.5%の下落となりました。

興味深いのは、その後に起こったことです。急激な下落を記録した3回の翌年、すなわち1975年、2003年、2009年にS&P500は急反発し、平均で27.1%上昇したのです。それぞれの下落は異なるイベントによって引き起こされたため、2023年に同様の反発が起こる保証はありません。ただ、歴史は、劇的な回復が可能であると言えるでしょう。

2023年に市場が回復するかどうかにかかわらず、S&P500に連動するインデックスファンドに投資妙味があることに変わりはありません。

注目したいインデックスファンド

上場投資信託(ETF)のバンガードS&P500 ETF(VOO)は、米国の最大手企業500社で幅広く構成されるS&P500のパフォーマンスに連動します。指数構成企業は11セクターすべてにわたり、バリュー株もグロース株も含まれています。つまり、S&P500は、米国経済の根幹を成す、最も影響力のある米国企業の集合体であり、投資家はバンガードS&P500 ETFを通じて、これらすべての企業に少しずつ投資していることになります。

こうした理由から、米国人の創意工夫を固く信じているウォーレン・バフェット氏はしばしば、株式市場に広くエクスポージャーを求める投資家にとって、S&P500連動型ETFは最も合理的な投資先だと述べています。同氏は2015年に、バークシャー・ハサウェイの株主に宛てた手紙の中で、「(米国が建国されて)240年もの間、米国への逆張り投資は大きな間違いであり、今もその時ではない。米国の商業と革新における金のガチョウはこれからもたくさん、大きな卵を産み続けるだろう」と述べました。

実際に、バンガードS&P500 ETF はこれまでに卓越したリターンを上げています。過去10年間のトータルリターンは223%、年率では12.4%です。このペースが続けば、毎週100ドルずつ投資すると30年間で130万ドルになります。これだけでもバンガードETFは長期投資家にとって優れた選択肢と言えますが、インデックスファンドに投資する、もう1つの魅力的な理由があります。

クレストモント・リサーチの調査によると、S&P500(その前身を含みます)の20年リターンを見ると、1919年以降のすべての期間でプラスのリターンを生み出しています。つまり、過去1世紀のどの時点であれ、S&P500に連動するインデックスファンド(またはそれに相当するもの)に投資し、少なくとも20年間保有していれば、必ず利益を上げていると言えるでしょう。これこそが、バンガードS&P500 ETFに注目したい理由です。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Trevor Jennewineは、バンガードS&P500 ETFに投資しています。モトリーフール米国本社はバークシャー・ハサウェイの株式およびバンガードS&P500 ETFに投資し、推奨しています。モトリーフールは以下のオプションを推奨しています。バークシャー・ハサウェイの2023年1月満期の200ドルコールのロング、同2023年1月満期の200ドルプットのショート、同2023年1月満期の265ドルコールのショート。モトリーフールは情報開示方針を定めています。