【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,086.04  △368.95 (1/31)
NASDAQ: 11,584.55  △190.74 (1/31)

1.概況

米国市場は米雇用コスト指数の伸びが鈍化し市場予想も下回ったことで賃金インフレへの懸念が後退し反発となりました。86ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に52ドル安となるなど前日終値を挟んで小幅にもみ合いましたが、まもなくして買いが優勢になると徐々に上げ幅を広げ取引終盤には240ドル高余りまで上昇しました。その後一旦伸び悩みましたが、大きく押すことなく堅調に推移すると引けにかけて一段高となり結局368ドル高の34,086ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も190ポイント高の11,584ポイントとなっています。

2.経済指標等

10-12月期の米雇用コスト指数は前期比1.0%上昇となり、前四半期から伸びが鈍化し市場予想も下回りました。1月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も44.3と前月から低下し市場予想を下回りました。1月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数も107.1と前月から低下し市場予想を下回っています。11月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は前年同月比6.8%上昇し市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも素材と一般消費財・サービスが2%を超える上昇となったほか、不動産と資本財・サービスも2%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げました。そのなかでもホーム・デポ(HD)が3%余り上昇したほか、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)とダウ(DOW)、ゴールドマン・サックス(GS)、スリーエム(MMM)、マイクロソフト(MSFT)も2%以上上げています。一方でキャタピラー(CAT)が決算で1株利益が市場予想を下回ったことで3%を超える下落となり、決算で利益率が市場予想に届かなかったマクドナルド(MCD)も1%以上下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株が堅調でテスラ(TSLA)が4%近く上げ、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も2%を超える上昇となりました。グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も2%近く上げています。また、ゼネラル・モーターズ(GM)が決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで8%を上回る上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.08%低い3.51%となりました。ドル円は130円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を明日の未明に控え様子見となりやすいなかで日経平均が節目の27,500円を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)