今週は米英欧の金融政策会合が重なる中央銀行ウィークだ。31日~2月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に続いて2日には欧州中央銀行(ECB)定例理事会と英国金融政策委員会が開催される。FOMCでの0.25%の利上げを市場はほぼ織り込んでいるが、パウエル議長の会見で振らされる可能性がある。加えてECBがどう動くか市場は織り込めていない。
さらにこれら米英欧の金融政策会合通過後には米国の雇用統計が控える。結局、週末まで動きにくい展開が続く。気をつけたいのは、そうして多くの投資家が様子見で動けないことを見透かした投機筋による仕掛け的な売買によって薄商いの中、値が飛ぶことだ。波乱の展開となることを警戒したい。
米国では先週、マイクロソフトの決算が冴えなかったが、今週はGAFAMの残り、メタ・プラットフォームズ(2月1日)、アルファベット、アマゾン、アップル(2日)の決算発表がある。日本でも決算発表が佳境を迎える。30日にはOLC(4661)、NEC(6701)、キヤノン(7751)、三井住友(8316)、JR東海(9022)、31日には第一三共(4568)、コマツ(6301)、富士通(6702)、TDK(6762)、アドバンテスト(6857)、レーザーテック(6920)、JR東(9020)、1日には日立(6501)、キーエンス(6861)、2日には花王(4452)、武田薬(4502)、パナソニック(6752)、ソニー(6758)、村田製(6981)、三菱UFJ(8306)、JAL(9201)、KDDI(9433)、3日にはエムスリー(2413)、三越伊勢丹(3099)、デンソー(6902)、伊藤忠(8001)、三井物(8031)、三菱商事(8058)、日本郵船(9101)と主力企業の決算発表が集中する。
経済指標は米国雇用統計のほかにISM製造業・非製造業景気指数も発表されるほか、中国のPMIにも注目したい。中国景気の再開期待で世界景気の見通しに明るさが戻っている。IMFの世界経済見通しの1月アップデートも今週発表される。日本については先週、すでに上方修正されているが、世界全体も上方修正されるだろう。20日に閉幕した世界経済フォーラム(ダボス会議)で国際通貨基金(IMF)のゴピナート筆頭副専務理事は、IMFが経済見通しを上方修正することを示唆し、2023年後半から24年にかけて改善が見込まれると指摘した。市場がどれだけポジティブに反応するかは不確かだが、明るい材料には違いない。
予想レンジは2万6500~2万8000円とする。