FPという仕事柄、多くの人が投資に興味を持ってきているという状況を喜ばしく思うものの、大抵が、金融機関から聞いたお話やマネー系のメディア経由での情報なので、実際のところはどうなのでしょう。

先日、美容院で担当となった美容師さんから興味深い話を聞くこととなりました。
「私、FXを始めてみたのですが、よくわからなくて・・・」
失礼ながら、経済やマネーよりはファッションやトレンドに夢中になりそうな今時の若い女性です。そんな女性が投資を始めた、という話にワクワクしたと同時に、そのきっかけに興味を持ちました。

なんでも、別のお客様から話を聞いて興味を持ったとのこと。将来に対する漠然とした不安から、本屋さんに並んでいる本をいくつか手に取り、結果、ますます不安を感じたとも。「●歳までに〇千万円貯めないと老後破綻・・・」といった刺激的なタイトルの本だったようです。なぜFXだったのかは、たまたまそのお客様がFXをしていたから、とのことでした。

若い世代が投資に興味を持ち、早い時期に運用をスタートすることはぜひとも推奨したいことです。ただ、入ってくる情報が偏ってしまうと、気が付かないうちに大きなリスクを抱え込む可能性があります。
彼女から以下のようなことを聞かれました。

「投資はいくらくらいからすべきなのか」

「たくさんの種類のチャートからどれを見たらよいのか」

「(前述の本のタイトルから)本当に〇千万円必要なのか」
まず、どんな種類の投資をするにしても、本来は自分の収支の中でどの程度余裕資金を投資に回せるかを確認することが大切です。ライフ&マネープランを組み立てることで、将来いくらのお金が必要かも見えてきます。ライフスタイルも優先順位も人それぞれ。必要なお金は人によって違うのです。
とりあえず月々1万円は投資に回せる・・・というのであれば、上記は追々していただくとして。投資は少額からでも継続的に行うことが有効です。

次に自身の生活ペースや性格から投資スタイルとスタンスを決めること。仕事が夜遅くまで忙しい、日中スマホやPCを頻繁に確認できる、のんびり屋、せっかち、これも人それぞれですよね。
自分自身にあった投資スタイルを持たないで、他のタイプ向けの情報を見れば混乱するのは当然です。FXでも株式でも、チャート派になるのか、ファンダメンタル重視派を志すかによって、見る物も勉強の方法も変わってきます。

無理をせず、少額から分散投資、勉強を続けることが、長く投資と付き合う上で大切です。中長期でお金を増やしたい、仕事中はあまりチャートも見られないし、相場が気になって不安になる、少額投資で、ということであれば、投資信託を積み立てることも一つの方法という話もしました。
こうしたごく普通の若い世代が、今後も長く投資と付き合っていってもらいたいと感じた出来事でした。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員