羽生善治九段が藤井聡太五冠に、王将戦第二局で勝ちました。カッコいい。素晴らしい。感動的です。昨日の夕方速報ニュースを見た時は、思わずガッツポーズをしてしまいました。ちょうど最終盤の熱戦が拡げられている頃、私は対局が行われていた高槻市を通過していたので、なんかありがたい気持ちになりました。

私はこの仕事をしている役得で21年前に羽生さんと対談をしてから、ありがたいことに羽生さんと少々のお付き合いをいただいており、そして羽生さんの著作もいくつも読んでいて、その考え方にとっても強く感銘を受け、僭越ながら共感する部分も多く、とても尊敬し、いつも応援しています。羽生さんは継続すること、継続出来る情熱を持つこと、そのことこそが才能である、という主旨のことを書かれており、今回の勝利もまさにご自身が書かれていることを実践し証明されたと思います。

私は将棋は全く詳しくないのですが、藤井聡太さんは天才であり怪物だと思いますが、20歳の新型天才に対して、研究と勇気で挑んで打ち負かすことの出来る52歳の羽生さんは、怪物を超えた怪物であり、情熱と意志の巨大な所有者であり、かつ実行者で、羽生さんの全盛期はもしかしたら未だ到来してないのではないか、とさえまで思ってしまいます。

羽生さんのような大きな精神、意志、才能を見ると、私は博物館でエジプトの彫像を見る時のような次元の違う畏怖の念を抱くことしか出来ませんが、それでも尚、自分もそんな羽生さんにあやかって、情熱と意志を高く維持したいと、そう思うのでした。