今年に入ってナスダックが大きくリバウンド

先週、S&P500は0.66%下落し、2023年に入り3週連続の上げを継続することはできませんでした。その一方、テクノロジー銘柄のウエイトの高いナスダック100は0.67%の上げとなり、3週連続上昇を果たしました。

年初からではS&P500は3.47%の上げ、ナスダック100は6.21%の上げと、2022年下げ幅が大きかったナスダックが2023年に入り大きくリバウンドしています。米国債10年利回りが3.5%を割れたこともあり、現在業績が赤字のハイパーグロース銘柄で、2022年に株価が8割9割下がったような銘柄も 2023年に入ってからしっかりと息を吹き返しています。

加えてビットコインも2023年に入り3割以上上昇と、2022年と打って変わってリスク・オンの展開となっています。

マイクロソフト(MSFT)、アルファベット(GOOGL)が人員削減を発表

マイクロソフトは1月18日(水)に世界の従業員数の4.5%相当にあたる約1万人のレイオフを発表しました。その2日後の20日(金)にはアルファベットが世界の従業員の6%にあたる1万2千人のレイオフを発表しました。同社はコロナ禍の2020年、2021年に従業員数を約3分の1増やしてきましたが、今回"a different economic reality(異なる経済的な現実)”を受けての判断としています。

このようなニュースに株価はポジティブに反応していますから、業績悪化というより、今後の成長のためにコストカットしたことをポジティブに評価しています。

今週注目の米国企業の決算発表

米国企業の決算発表が始まりました。これまでのところS&P500採用銘柄のうち55社が第4四半期の決算発表を終えています。前年同期比で4.49%の減益で、事前予想の2.63%の減益を下回っています。しかし、決算発表は始まったばかりであり、結論づけるには時期尚早です。

今週1月24日(火)にゼネラル・エレクトリック・カンパニー(GE)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、マイクロソフト(MSFT)、25日にはエーティー・アンド・ティー(T)、ボーイング(BA)、テスラ(TSLA)などのブルーチップ銘柄、また来週にはGAFA企業が決算発表を行う予定です。

2022年大きく売られたGAFAM+T(テスラ)企業に対する市場の期待感は決して高くない中、果たして事前予想を上回ることができるかが、今後のマーケットの方向性を決定づけることになります。

テクニカルな話ですが、S&P500は2022年10月に2022年の安値を付けたものの、その後は安値を更新することはなく推移していることは投資家に望みを与えています。

注意すべきは、S&P500が目先200日移動平均線である3,969を超え、そのレベルを下回らずに推移を継続するかどうかです。