米ドル/円 週間予想レンジ:127.00~131.00

メインストラテジー:押し目買い

・日銀政策修正の噂
・振り回されても一時的
・一段と売られ過ぎも

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

米ドル/円相場は先週大幅続落し、一旦127.46円をトライした。読売新聞の報道などによると、今週1月17、18日の日銀会合でも緩和政策を再修正し、一部過激な予想では、イールドカーブ・コントロール(YCC)の撤回や利上げさえ見込まれるのではないかと、噂に振り回された側面が多かった。しかし、ここまでくると、もはや売られ過ぎの状況が一段と深刻さを増し、これからの底打ちにつながると推測される。

言ってもみれば、安値更新自体は2022年の高値から反落波の一環として位置付けできるものの、その延長で大分行き過ぎをもたらし、前述の過激な噂に影響されるまでくると、そろそろ底打ちのタイミングにあると逆に推測されやすい。最大127円関門割れも想定されるものの、一時的なものに留まり、再度繰り返しを果たして、米ドルの売られ過ぎを修正していく、というメインシナリオを維持しておきたい。

2022年12月の安値を連結する支持ラインの制限もあって、下値余地があっても127円関門前後に制限される可能性が大きい。2022年5月安値の126.36円に鑑み、127円関門の一時下放れがあっても同安値を大幅割り込んでいくような市況は想定しにくい。日銀政策転換に関する憶測は大袈裟さで信憑性が低いが、米ドル売りの行き過ぎも確かである。

プライスアクションの視点では、安値再更新があって、1月6日の陰線自体が「フォールスブレイクアウト」のサインとして成立すれば、仮に一旦底打ちがあっても、同日高値の134.79円を上回らない限り、弱気変動に留まるだろう。さらに、1月12日の大陰線に続き、1月13日の安値再更新もあって、当面頭の重い状況が続くと示唆している。

言ってみれば、安値再更新なしの場合は、本来1月3日の罫線を「フォールスブレイクアウト」的な意味合いとして証明できたが、安値再更新があったからこそ、今回は一転して「ダマシ」と証明され、しばらく弱含みの展開を余儀なくされる。米ドルの売られ過ぎは確かであるものの、楽観しすぎる見方にも距離をおきたい。一旦127円関門割れ、また割り込んだ後の反発を想定できるものの、131円以上の回復は、何らかの材料なしでは性急だと思う。日銀の政策次第による波乱も覚悟しておきたい。

豪ドル/円 週間予想レンジ:88.00~91.00

メインストラテジー:押し目買い

・ダブル・ボトム自体を維持
・上放れに一旦失敗
・横這いでも上値志向

【図表2】豪ドル/円(日足)  
出所:筆者作成

アナリシス:

豪ドル/円相場は先週一旦92関門手前まで迫ったものの、日銀政策に関する噂に左右され大きく反落、再度88円後半の打診をもって上放れの一旦失敗を示唆した。ただし、それでも日足における「ダブル・ボトム」の構造は維持し、上値志向自体も維持されるとみている。

もっとも、先々週に87円台前半まで続落したものの、その後一転して大幅に切り返し、一旦91円関門の再打診をもって底打ちの構造を示唆した。週足では「強気リバーサル&アウトサイド」のサインを点灯し、日足では「ダブル・ボトム」の構造をしっかり示し、豪ドルの優位性を示唆していた。先週の反落は、一旦上放れの失敗を示唆したものの、同構造自体の否定にはならないため、しばらく底固めの段階にあると推測される。

豪ドルの優位性を検証するもっとも大きなサインは2022年12月20日に大陰線に対する安値再更新回避にあった。他の主要クロス円が軒並み同日安値を大きく割り込んでいた中、豪ドル/円は同様な値動きを回避し、また先々週の切り返しでダブル・ボトムの構造を確立させたわけで、先週の再反落は途中段階の速度調整と見なせる。

このままでは、前述の2022年12月20日高値の92.11円をブレイクしていくだろう。一気に上放れすることにより、多少の紆余曲折が想定されるが、上放れさえ確認できれば、豪ドルの優位性が一段と証明され、また新たな変動レンジ入りが暗示される。今週に1月3日安値の87.40円割れさえ回避できれば、基本的なシナリオは不変である。

とはいえ、1月12日の大陰線に続き、1月13日も値幅拡大してから反落し、しばらく頭の重い構造を示唆していた。91円台半ばの回復なしでは中段保ち合いに留まり、また一時的にせよ、88円関門に迫り、さらに一旦割り込みの局面も想定されるだろう。

底固めの時期と想定しておきたいが、日銀の政策次第では波乱を覚悟しておきたい。重要な視点として、2022年12月20日の大陰線に包まれる形で目下大きな「インサイド」のサインを形成中であり、同サインの下放れなしでは上値志向は不変である。