【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,302.61  △112.64 (1/13)
NASDAQ: 11,079.16  △78.05 (1/13)

1.概況

先週末の米国市場は米ミシガン大学が発表した米消費者態度指数で1年先の期待インフレ率が前月から低下するなか、利上げ減速観測が引き続き支えとなり続伸となりました。ダウ平均は114ドル安でスタートすると直後に274ドル安まで下落しましたが、売り一巡後に持ち直すと前日終値を挟んで揉み合う展開がしばらく続きました。しかし、取引終盤に買いが優勢になると引けにかけて上げ幅を広げ結局112ドル高の34,302ドルで取引を終え4日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も78ポイント高の11,079ポイントとなり6日続伸となりました。

2.経済指標等

1月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は64.6と前月から上昇し市場予想も上回りました。また、1年先の期待インフレ率は4.0%と2022年12月の4.4%から低下し、2021年4月以来の低水準となっています。さらに12月の米輸入物価指数は前月比0.4%上昇し市場予想を上回りました。一方で12月の米輸出物価指数は前月比2.6%低下し市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスや金融、素材などの8業種が上げ、一般消費財は1%近く上昇しました。一方で不動産と公益事業、資本財・サービスの3業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では決算で1株利益が市場予想を上回ったJPモルガン・チェース(JPM)が2%以上上げ上昇率トップとなったほか、キャタピラー(CAT)とゴールドマン・サックス(GS)、アップル(AAPL)、トラベラーズ(TRV)も1%以上上げています。

一方でユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が1%を超える下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、テスラ(TSLA)が欧米で販売価格を引き下げたと伝わったことで1%近く下落しました。デルタ航空(DAL)も1-3月期の利益見通しが市場予想を下回ったことから3%以上下げています。バンク・オブ・アメリカ(BAC)は決算で1株利益が市場予想を上回ったことから2%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.06%高い3.50%となりました。ドル円は米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩める一方で、日銀が金融緩和を縮小させるとの思惑が出るなかさらに円高が進み127円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は一段と円高が進んでいることから下落してのスタートが予想されます。日経平均は節目の26,000円を割り込みそうで、こうしたなかで押し目を拾うような動きがみられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)