東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて小幅に5日続伸となりました。78円高の26,524円で寄り付いた日経平均は直後に101円高の26,547円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むとマイナスに転じ9時40分前に64円安の26,381円まで下落しました。
しかし、下げ渋ると昨日の終値を挟んで小幅に揉み合う展開となり9円高の26,455円で前場を終えました。11円高の26,457円でスタートした後場の日経平均は12時50分過ぎに30円高の26,476円を付けた後13時50分前に5円安の26,440円を付けるなど昨日の終値近辺で推移すると結局3円高の26,449円で取引を終えています。一方で新興株は軟調で東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
3メガバンクが昨年来高値を更新しました。日銀が17日と18日に開く金融政策決定会合で金融緩和策の副作用を点検すると伝わったことで、日銀が追加的な緩和修正に動くとの思惑が浮上しメガバンクに物色の矛先が向かいました。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が5.0%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が4.4%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)も5.4%高となりました。サイゼリヤ(7581)も一時11.5%高となり昨年来高値を更新しました。価格を維持した戦略などで国内の客足が回復したうえ、中国を中心にアジア地域も新規出店効果などで好調だったことなどから第1四半期の営業損益が17億円近い黒字となり、前年同期の2億円を超す赤字から黒字に転換したことで大きく上げ幅を広げる場面がありました。
ライフコーポレーション(8194)も9.0%高となりました。第3四半期9カ月間累計の営業利益は前年同期比で31.2%減となりましたが、第3四半期3カ月間の営業利益が前年同期比で4.3%増と増益に転じたことで買いを集めました。また、東証スタンダード市場では出前館(2484)が5.5%高となりました。第1四半期の営業損益は42億円余りの赤字となりましたが、広告宣伝費を抑えたことなどから前年同期の89億円を超す赤字から赤字幅が縮小したことを好感した買いが入りました。
一方でエービーシー・マート(2670)が4.8%安となりました。新型コロナウイルス禍からの経済再開を背景に日本や韓国などで販売が伸びたことなどから第3四半期の営業利益は前年同期比で46.1%増と大幅な増益となりましたが、通期予想を据え置いたことで失望売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は3円高となりました。米国市場がインフレ減速期待を支えに続伸となったことで買いが優勢となりました。しかし、日銀が大規模な金融緩和策に伴う副作用を点検すると伝わりドル円がやや円高に振れたことや、12月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え積極的に動きにくいということもあり節目の26,500円を小幅に上回ったところで上値が押さえられるとマイナスとなる場面もあるなど伸び悩みました。その米CPIは日本時間の22時30分に発表となる予定で、前月から伸びが鈍化するとみられています。米連邦準備理事会(FRB)による今後の金融政策を占ううえで関心の高い経済指標だけにマーケットの反応が注目されます。
また、小売り企業の決算発表が続いています。本日も引け後にはセブン&アイ・ホールディングス(3382)やオンワードホールディングス(8016)、ファーストリテイリング(9983)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)