【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,930.08  ▼339.69 (1/5)
NASDAQ: 10,305.24  ▼153.52 (1/5)

1.概況

米国市場は強い雇用関連の経済指標の発表を受けて米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの見方が改めて強まり大幅反落となりました。78ドル安でスタートしたダウ平均は大きく下げ幅を広げ昼前に457ドル安まで下落した後下げ渋ると取引終盤に190ドル安程度まで持ち直しましたが、引けにかけて再び下げ幅を広げると結局339ドル安の32,930ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も153ポイント安の10,305ポイントとなっています。

2.経済指標等

2022年12月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は23万5000人増となり市場予想を上回りました。先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週比1万9000件減の20万4000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しています。また、11月の米貿易収支の赤字額は前月比21.0%減の615億1100万ドルとなっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が下げました。そのなかでも不動産が3%近く下落したほか、公益事業も2%以上下げました。また、情報技術も2%近く下落し、素材と資本財・サービス、ヘルスケアも1%以上下げています。一方でエネルギーが2%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中23銘柄が下げました。そのなかでもウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が通期の利益見通しを据え置いたことが失望となり6%余り下落したほか、マイクロソフト(MSFT)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も3%近く下げています。

また、ハネウェル・インターナショナル(HON)とアメリカン・エキスプレス(AXP)、セールスフォース(CRM)も2%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株が軟調でテスラ(TSLA)が3%近く下落し、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)も2%以上下げています。さらに半導体株にも下げるものが目立ちアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とエヌビディア(NVDA)が3%を超える下落となり、クアルコム(QCOM)も2%近く下げています。

一方で半導体メモリーのウエスタンデジタル(WDC)は日本のキオクシアホールディングスと統合に向けた協議を再開したと伝わったことで6%を上回る上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い3.72%となりました。ドル円は133円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。米雇用統計の発表を控え様子見となりやすいなかで日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)