【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,241.56  △37.63 (12/27)
NASDAQ: 10,353.23  ▼144.64 (12/27)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。中国政府が新型コロナウイルスの防疫措置を緩和する方針を示したことを好感しダウ平均は続伸となりましたが、長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出てS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は反落となりました。20ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に134ドル安まで下落しましたが、持ち直すとプラスに転じ昼過ぎに183ドル高まで上昇しました。その後伸び悩むと取引終盤に再びマイナスとなる場面もありましたが、20ドル安程度で下げ渋ると引けにかけて持ち直し結局37ドル高の33,241ドルで取引を終えています。

一方でS&P500株価指数が15ポイント安の3,829ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も144ポイント安の10,353ポイントとなっています。

2.経済指標等

10月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は前年同月比8.6%上昇し市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が下げ、一般消費財・サービスとコミュニケーション・サービスが1%を超える下落となったほか、情報技術も1%近く下げました。一方でエネルギーや公益事業、生活必需品などの5業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)が2%余り上げたほか、キャタピラー(CAT)とシェブロン(CVX)、ナイキ(NKE)も1%以上上昇しました。一方でウォルト・ディズニー(DIS)が2%近く下げ、アップル(AAPL)とゴールドマン・サックス(GS)も1%以上下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株の下げが目立ち中国・上海工場での減産を2023年1月も続ける計画だと伝わったテスラ(TSLA)が11%以上下げ、ネットフリックス(NFLX)も3%を超える下落となりました。アマゾン・ドット・コム(AMZN)とグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も2%以上下げています。半導体株も安くエヌビディア(NVDA)が7%を上回る下落となり、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も2%近く下げました。

また、寒波による大幅減便を嫌気してサウスウエスト航空(LUV)が6%近く下落しています。

5.為替・金利等

長期金利は0.10%高い3.84%となりました。ドル円は133円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなり新たな買い材料になりにくいことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか本日は寄り付き前の8時50分に日銀金融政策決定会合の主な意見が公表されます。日銀が緩和策を修正した19-20日の会合の内容が明らかになることから注目を集めそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)