【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,027.49  ▼348.99 (12/22)
NASDAQ: 10,476.12  ▼233.25 (12/22)

1.概況

米国市場は新規失業保険申請件数が小幅な悪化に止まったことや、米GDPが上方修正されたことで米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締め長期化への警戒感が強まり3日ぶりに大幅反落となりました。ダウ平均は143ドル安でスタートすると寄り付きを高値に大きく下げ幅を広げ昼過ぎには803ドル安まで下落しました。その後下げ渋ると取引終盤に持ち直しましたが、節目の3,300ドルを超えたところでは上値は重く結局348ドル安の33,027ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も233ポイント安の10,476ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2000件増の21万6000件となりましたが市場予想ほど悪化しませんでした。7-9月期の米実質GDP確定値も年率換算で前期比3.2%増と改定値の2.9%増から上方修正され市場予想も上回りました。一方で11月の米景気先行指標総合指数は前月比1.0%低下し市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも一般消費財・サービスと情報技術、エネルギーが2%を超える下落となったほか、資本財・サービスとコミュニケーション・サービスも1%以上下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が下げました。そのなかでもボーイング(BA)が4%近く下落したほか、インテル(INTC)も3%以上下げました。マイクロソフト(MSFT)とアップル(AAPL)も2%を上回る上昇となっています。一方で4銘柄が上げ、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)は1%を超える上昇となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、決算が市場予想を下回ったことで半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)が3%を超える下落となりました。他の半導体株にも売りが波及しエヌビディア(NVDA)が7%安となり、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も5%以上下げました。クアルコム(QCOM)も3%を上回る下落となっています。半導体製造装置株も安く、ラムリサーチ(LRCX)が8%以上下げ、アプライドマテリアルズ(AMAT)も8%近く下落しています。

また、値下げを発表したテスラ(TSLA)が9%近く下落し、アナリストが2023年通期の業績予想を引き下げたアマゾン・ドット・コム(AMZN)も3%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い3.68%となりました。ドル円は132円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)