先週の米CPI、FOMCや主要国の中銀会合といったビッグ・イベントを通過し、今週はクリスマス休暇に入る海外投資家も多く、模様眺めの展開となるだろう。重要な経済指標は11月の個人消費支出(PCE)コアデフレータだが、発表は23日の現地時間。従って、これも様子見ムードを強める口実となる。

相場の材料になりそうなのが21日発表の米国の消費者信頼感指数。市場予想は101.0と、11月の100.2を上回る見通しだ。なにしろ先週発表された米国の景気指標は、小売売上高、鉱工業生産、NY連銀製造業景気指数、フィラデルフィア連銀景況指数すべて市場予想を下回る悪化ぶりだった。こうした景気悪化を示す経済指標が続いてきただけに、その流れを消費者信頼感指数が断ち切ることができるか期待したい。

国内では19 日から20日に日銀金融政策決定会合が開かれる。政策変更はなく現状維持の公算が高いが、材料難、市場参加者不在のマーケットでは、あらためて日銀の緩和継続が材料視されて円安に動く可能性はある。

21 日には半導体メモリ大手のマイクロン・テクノロジーの決算発表がある。そろそろ半導体不況の「底」が見えるような手がかりが得られるかもしれない。注目したい。

新興市場では年末の新規株式公開(IPO)ラッシュが始まっている。今週も11社の新規上場が予定されており、換金売りなどで需給が悪化することには警戒したい。

もっとも大きな懸念材料は中国でのコロナウィルス感染再拡大だ。ようやく「ゼロコロナ政策」が緩和され、中国景気の再開期待が高まっていただけに、北京などで感染が急拡大しているとの報道は気がかりだ。中国関連の機械、自動車などの製造業だけでなく、インバウンド関連にも水を差すことになる。そうしたなか、21日には11月の訪日外客数が発表になる。前月より大幅増が見込まれるが、素直にインバウンド関連株が物色されるか注目したい。

今週の日経平均の予想レンジは2万7300円~2万8200円とする。