先週、BTC(ビットコイン)は230万円を挟んだ小動きの展開となりました。暗号資産関連企業の悪材料がまだ続いている状況ですが、市場の反応は限定的です。
12月9日(金)には11月の米PPI(生産者物価指数)が発表され、市場予想(+7.2%)を上回る前年同月比+7.4%という結果となりました。前回の+8.0%を大幅に下回り、2022年3月の+11.2%から順調に低下しており、現在の水準は2021年6月の+7.3%の水準まで戻ってきています。明らかに脱インフレの兆候でしょう。
2021年から2022年にかけてマーケットの注目はインフレでしたが、次第にリセッションが意識されつつあるように思います。
ここ10年間ほどインフレ率低下→金融緩和が繰り返されてきましたが、今回はインフレが落ち着いていてもまだダメージが残った状態が続くでしょう。政策金利の引き下げは完全にインフレが退治されてから行われるものですので、まだ1年以上先になると思います。よって、しばらくはリセッション=株安・暗号資産安の相場となるように考えています。
本日もチャート分析を見ていきましょう。
BTC(ビットコイン)、今週も小動きの展開か
BTC/JPY日足チャート分析です。
先週と変わらず220-240万円のレンジ相場が続いており、10%弱のレンジ相場が続くと予想しています。仮に上値がブレイクするとしても、大きな材料がない限りは元のレンジに戻ると考えています。
レンジ相場が長く続いている影響もあり、すでに30日移動平均線よりも少しだけ高い位置で現在の価格は推移しています。MACDもすでに0.00ラインに回帰しており、次の大陽線または大陰線でトレンドが大きく動くかもしれません。
また暗号資産関連企業の悪材料が出たり、米国などの政府機関から強い規制が発表されたら、下落するでしょう。
時間軸を4時間足に落とします。
先日、三角保ち合いを下方向にブレイクしましたが、それがダマシとなり、上値を追いかけました。12月8日の大陽線の出現は1本で終わりました。その後、横ばいで推移し、現在(12月12日午前執筆時点)、少し長めの陰線が2本出現中です。230万円を下回りますとこの大陽線が全否定されますので、さらに下値を追いかける展開になると予想します。
235万円の上値レジスタンスラインを何度か試して反落していますので、次は再び下値を試すことになるでしょう。228-230万円がサポートゾーンとなりそうですが、ここを割り込むと、220-228万円レンジに切り替わると思います。220万円以下はかなり底堅いイメージがありますので、今週も小動きの展開となるでしょう。
ETH(イーサリアム)、下値を模索する展開か
ETH/JPY日足チャート分析に移ります。
日足並行チャネルレンジ内での推移が続いています。30日移動平均線の辺りで推移しており、ほぼBTCと連動している状況です。
MACDも似たような位置にあり、今週もBTCに連れ高・連れ安となる展開を予想します。ETHについても下値を模索する展開を予想しており、15万円前後のチャネルレンジ下限ラインをターゲットに拾っていくイメージに変わりありません。
この下値の堅さですと、少し下値を抜けたとしても下ヒゲで終わる可能性が高いと考えています。したがって買い場は14万円台でしょうか。14万円台ですと、現在価格から15%安の水準になりますから、BTCでは200万円前後からのエントリー水準であり、ドル建てで14,000ドル台の水準になります。ここは2019年に付けたBTC/USDの高値で、サポートラインが引ける重要ポイントです。ここで買い戻しが大きく入ることも考えられますので、ETHを買い仕込む水準としては良いタイミングではないでしょうか。
今週もBTC、ETHは下落目線で深い押し目買いを狙った戦略を維持したいところです。イメージとしては、現状価格から15%安の水準を1つの目安としたいと思います。