【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,395.01  ▼194.76 (12/1)
NASDAQ: 11,482.45  △14.45 (12/1)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は利益確定の売りが出て下落となりましたが、長期金利の低下を受けてハイテク株の一角が買われたことでナスダック総合株価指数は上昇となりました。56ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に460ドル安まで下落した後徐々に下げ幅を縮めたものの結局194ドル安の34,395ドルで取引を終え3日ぶりに反落となっています。

また、S&P500株価指数も3ポイント安の4,076ポイントとなり反落となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は14ポイント高の11,482ポイントと続伸となっています。

2.経済指標等

11月の米ISM製造業景況感指数は49.0と景気の拡大と縮小の分かれ目となる50を約2年半ぶりに割り込み市場予想を下回りました。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万6000件減の22万5000件となり市場予想以上の改善となりました。

また、10月の米個人所得は前月比0.7%増となり市場予想を上回りました。さらに10月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.8%増となり市場予想と一致しています。10月の米建設支出も年率換算で前月比0.3%減となり市場予想と一致しました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融や生活必需品、エネルギー、不動産などの8業種が下げました。

一方でコミュニケーション・サービスとヘルスケア、情報技術の3業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではセールスフォース(CRM)が8%以上下げ下落率トップとなりました。決算で通期の売上高の見通しが市場予想を下回ったうえ、共同最高経営責任者(CEO)のブレット・テイラー氏の退任を発表したことも嫌気され売りが膨らみました。

また、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が2%近く下落し、ボーイング(BA)とベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、JPモルガン・チェース(JPM)も1%以上下げています。

一方でナイキ(NKE)が1%以上上昇し、ホーム・デポ(HD)も1%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株の一角が高くネットフリックス(NFLX)が3%を超える上昇となり、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)も2%近く上げました。会員制卸売り大手のコストコ・ホールセール(COST)は11月の既存店売上高の伸びが10月から鈍化したことで6%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利はPCE物価指数の伸びが前月から鈍化したことで0.09%低い3.51%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ135円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が反落となったことから下落してのスタートが予想されます。今晩に米雇用統計の発表を控え様子見になりやすいなかで日経平均が節目の28,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)