TOPIXが日経平均をアウトパフォーム
東京株式市場では11月以降、TOPIX(東証株価指数)が日経平均をアウトパフォームしています。12月相場の前半は出遅れ感がある日経平均の巻き返しがみられるかが、ポイントになるでしょう。
月間の業種別の騰落を振り返っても、上昇率上位には卸売や海運、銀行、非鉄金属、鉄鋼などバリュー系の景気敏感株が目立つ一方、下落側には精密機器や情報・通信などグロース系業種が入っています。
このような11月相場の騰落の結果を踏まえれば、値下がりした業種はいずれ上がるというアノマリーをいかしたリターンリバーサル(グロース系優位≒日経平均優位)を狙いたいところです。とはいえ、米国のグロース指数であるナスダックの大幅高が連続するような展開でもない限り、上げても下げてもTOPIXの優位性が保たれる公算が大きいです。
需給面も現状は良好です。10月第4週以降、海外投資家による買い越し基調が続いていることに加え、例年11月末~12月前半までは中間配当金の支払い時期にあたり、再投資への原資が増えることで相場の下支え要因となりそうです。
また、大学ファンドによるバリュー株投資への期待なども心理的な支えになります。グロース系が全体的に買われるタイミングは、米消費者物価指数(CPI)の発表、そして米連邦公開市場委員会(FOMC)が終了後の12月後半戦になるのではないでしょうか。
TOPIXの動きは上げ相場へのカタリストとなるか
TOPIXは2022年1月5日につけた年初来高値(2039.27ポイント)に、あとわずかに迫っています。テクニカル面で年末相場での高値更新は2023年に向けて、重要な強気サインとなります。
年足のローソク足では転換を暗示するとされる「トンボ(下ヒゲが長く始値と終値と高値がほぼ同じ水準)」、「タクリ線(下ヒゲが長く実体が短い高値引けの陽線)」に近い足型になる可能性が高くなってきたことは、上げ相場へのカタリストになる点で興味深いところです。
同じように、長い下ヒゲを形成した2016年や2020年の翌年は上昇相場につながった経緯があり、2023年も卯年で跳ねる相場となるでしょうか。