モトリーフール米国本社、2022年11月23日 稿記事より

主なポイント

・データドッグは、マクロ経済環境が厳しい時でも業績は好調
・グローバル・イー・オンラインはつまずくこともあったが、急成長し続けている

長期投資で素晴らしいパフォーマンスが見込まれる超優良2銘柄

2022年は株式市場にとって厳しい年となり、多くの投資家は2022年が早く終わって欲しいと思っているのではないでしょうか。ナスダック総合指数は29%近く下落し、2008年以来の下落幅となっています。2023年を迎えるに当たり、2022年のような展開にならないことを願って、新たな投資先を検討している投資家もいるでしょう。掘り出し物を探すなら、暴落しているグロース株の中に良い銘柄がありそうです。

すべてのグロース株に長期投資の価値があるわけではありませんが、データドッグとグローバル・イー・オンラインには投資妙味が感じられます。株価は低迷していますが、両社ともに好調な業績を維持しており、投資家心理と実際の業績の間に乖離が生じています。長期投資に充てる余力があるなら、これらの銘柄はよい選択肢かもしれません。

データドッグ

データドッグの株価は年初来で57%下落しており、多くの投資家は同社に愛想を尽かしたようです。しかし、長期投資家にとって、これはまたとない機会と考えられます。

データドッグは、企業がアプリやインフラのパフォーマンスを監視し、ユーザーの行動を把握し、アプリのダウンタイムを減らし、さらに社内の製品開発を促進するのをサポートする、ミッションクリティカルなソフトウェアを提供しています。これらのツールは、経済環境に関係なく、企業が競争力を維持するために不可欠なものです。そのため、データドッグの過去12ヶ月間の売上高は、74%増の15億ドルとなりました。

顧客の拡大と低い解約率の実績を見れば、データドッグが顧客にとっていかに重要であるか分かります。2022年第3四半期の解約率は1桁台前半~半ばを維持し、既存顧客の売上継続率は21四半期連続で130%を上回っています。

顧客は、これまで以上にデータドッグの製品を採用しています。第3四半期には、顧客の40%が4つ以上の製品を使用し、16%の顧客は6つ以上の製品を使用しています。2021年第3四半期には、これらの数字はそれぞれ31%と8%でした。

さらに素晴らしいのは、収益性です。株価が低迷している他の多くの企業と異なり、データドッグは高い収益性を誇ります。過去12ヶ月間の調整後フリーキャッシュフロー・マージンは24%、調整後営業利益率は20%でした。同社は、こうした利益を製品開発やイノベーションに再投資することが可能で、それによりアプリケーションに関するパフォーマンス監視の分野で、トップの地位を維持することができるはずです。

データドッグは優良銘柄のように見えますが、注意も必要です。大手投資家がデータドッグの株式を大量に購入しているのです。ヘッジファンドマネジャーで慈善家でもあるスタンレー・ドラッケンミラー氏は、第2・第3四半期に8,200万ドル相当の株式を購入した結果、データドッグは同氏にとって9番目に大きい保有銘柄となりました。データドッグの取締役であるマシュー・ジェイコブソン氏も、11月上旬に7,000万ドル分の株式を買っています。

株価は落ち込んでいますが、2026年までに最大620億ドルの市場規模が見込まれ、成長余地があると考えられます。

グローバル・イー・オンライン

グローバル・イー・オンラインの株価は、年初来で70%近く下落しています。2022年のガイダンスが精彩を欠いていることが原因と思われます。

同社は、Eコマースの小売企業に対して国境を超えた販売の複雑さを軽減しながら、海外の顧客により良いユーザーエクスペリエンスを提供するためのツールを提供しています。具体的には、言語のローカライズ、さまざまな決済方法や通貨への対応、現地の法律や規制の順守などです。

つまり、グローバル・イー・オンラインは、Eコマース企業が海外に展開するのをサポートしており、素晴らしい成果を挙げています。

グローバル・イー・オンラインの顧客には、ウォルト・ディズニーやアディダスといった有名企業もいますが、ショッピファイとの提携を通じて、5兆7,000億ドルに上る世界のEコマース市場から恩恵を受けられるよう、中小企業にもサポートを提供しています。

企業側が見通しを引き下げていることが、株価の低迷につながっています。2022年第3四半期決算と共に発表した通期ガイダンスでは、通期売上高は従来予想の4億1,100万ドルから約4億800万ドルに下方修正されました。それでも、前年比66%増という驚異的な伸び率です。

ガイダンスは下方修正されましたが、業界全体の2022年の成長率10%と比べると、はるかに高い成長率です。つまり、予想通りにいかなかったとはいえ、2022年も大成功であることに変わりません。

同社の株価売上高倍率(PSR)は10倍であり、2021年の上場以来、最低に近いバリュエーションです。今後の市場拡大の機会を考えると、このバリュエーションは見過ごせないほど魅力的と言えます。Eコマース分野における次の大手企業になる可能性もあり、今後の長期投資先として最適な銘柄かもしれません。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Jamie Loukoは、データドッグ、グローバル・イー・オンライン、ウォルト・ディズニーの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はデータドッグ、グローバル・イー・オンライン、ウォルト・ディズニーの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールは以下のオプションを推奨しています。ウォルト・ディズニーの2024年1月満期の145ドルコールのロング、ウォルト・ディズニーの2024年1月満期の155ドルコールのショート。モトリーフールは情報開示方針を定めています。