東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続伸となりました。114円高の28,059円で寄り付いた日経平均は直後に93円高の28,038円を付けた後上げ幅を広げると10時10分過ぎに258円高の28,203円まで上昇し205円高の28,150円で前場を終えました。221円高の28,166円でスタートした後場の日経平均は小動きとなり28,100円台で推移すると結局170円高の28,115円で取引を終えています。一方で新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

パナソニック ホールディングス(6752)が3.3%高となりました。環境意識の高まりやロシア産燃料への依存から脱却する動きから省エネルギー性能の高いヒートポンプ暖房の市場が急拡大するなか、ヒートポンプ暖房の生産拠点を欧州に新設する検討に入ったと伝わったことで収益の拡大を期待した買いが入りました。

江崎グリコ(2206)も4.0%高となりました。主力商品のポッキーや菓子、アイスなど全体の約4割にあたる商品を2023年2月出荷分から順次値上げすると発表したことで収益の改善を期待した買いが入りました。塩野義製薬(4507)も一時4.1%高となりました。塩野義製薬が開発した新型コロナウイルスの飲み薬治療薬の「ゾコーバ」について審査の実務を担う医薬品医療機器総合機構が薬の有効性を推定可能とする審査報告書をまとめたと伝わったことで、ゾコーバ承認への期待が高まりました。

また、電力6社が国の認可が必要となる一般的な家庭向け電気料金の値上げを検討していると伝わったことで東京電力ホールディングス(9501)や東北電力(9506)、北陸電力(9505)、中国電力(9504)、四国電力(9507)、沖縄電力(9511)が高く、東京電力ホールディングスが一時5.2%高、東北電力と中国電力が一時3.8%高、北陸電力が一時3.9%高、四国電力が一時3.7%高、沖縄電力も一時2.6%高となりました。さらに東証グロース市場では東証が上場市場を28日付で東証プライム市場に変更すると発表したオンライン診療システムを手掛けるメドレー(4480)が6.2%高となりました。

一方で国内大手証券が目標株価を引き下げたことでコナミグループ(9766)が一時3.2%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は170円高となりました。昨日の米国市場でダウ平均が小幅な下げに止まるなかドル円が円安に振れたこともあって買いが優勢となり節目の28,000円を回復しました。そのため一段高を期待する見方も出てきそうですが、28,000円を超えてくると上値が重くなり押し戻される展開が続いているだけにまずは28,000円で下値を固めることができるかがポイントとなりそうです。

なお、今晩は米クリーブランド連銀のメスター総裁の講演が予定されるなど米連邦準備理事会(FRB)高官の発言が相次ぐうえ、日本時間の24日の午前4時には11月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表されます。政策金利のターミナルレート(政策金利の到達点)などについて関心が高まっていることもありマーケットの反応が注目されます。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )