中間選挙後から大統領就任3年目のアノマリーを考慮すると相場の基調は強い

逆CPIショックで上伸した勢いを持続できるか重要な週になる。米国中間選挙は上院は民主党が勝利し、下院は共和党が優勢だ。そうであれば上院が民主党、下院が共和党という無難な決着となりそうだ。中間選挙後から大統領就任3年目の株高というアノマリーを取りに行くラリーが始まる季節を考えても、相場の基調は強いだろう。

FRB高官から株高けん制発言が出ても影響は一時的なもの

先週発表された米国の10月の消費者物価指数(CPI)が予想を下回る伸びとなったことで市場は大きく反応した。これらの動きの背景には、インフレの落ち着きがFRBの利上げペースの鈍化につながるとの市場の予想がある。しかし、この先、FRBが利上げのペースを引き下げていくという予想はCPIが発表される前から市場では織り込まれていた。ドル円のピークは10月21日で米長期金利のピークと一致している。ダウ平均はすでに9月末に底を打って10月は記録的な上昇となっていた。

従って、FRBの利上げが最終局面に入ったという認識はそう簡単に変わりようがない。FRB高官から株高けん制発言があるのでは?という危惧はあるが、仮にそれで相場が調整しても一時的なものだろう。一応、14⽇のウォラー理事、15〜16⽇のウィリアムズNY連銀総裁あたりの発言を警戒しておこう。

今週の注目は16日に発表される訪日観光客数

今週は米国で15⽇にNY連銀製造業景気指数、卸売物価指数(PPI)、16⽇に⼩売売上⾼、鉱⼯業⽣産、17⽇にフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、18⽇に中古住宅販売などが発表される。国内では14⽇に三菱UFJ(8306)、三井住友FG(8316)、みずほFG(8411)などのメガバンク決算を中心に中間決算発表も最終盤を迎える。

そのなかで注目は16日に発表される訪日観光客数。今回は10月11日から適用された入国制限の緩和(水際対策措置)後のデータが出てくるので大幅増加が期待できる。インバウンド関連株の後押し材料になるだろう。

今週の日経平均の予想レンジは2万7800円~2万9000円とする。