東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて大幅反発となりました。422円高の27,868円で寄り付いた日経平均は10時20分過ぎに883円高の28,329円まで上昇した後11時過ぎに694円高の28,140円まで上げ幅を縮めました。しかし、その後は再び上げ幅を広げる展開となりました。754円高の28,200円で前場を終え日経平均は745円高の28,191円で後場の取引をスタートさせると大引け間際に855円高の28,301円まで上昇し結局817円高の28,263円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が3.4%の大幅上昇となっています。

2.個別銘柄等

上期決算を発表し通期の業績予想を上方修正した銘柄に大幅高となるものがみられました。富士フイルムホールディングス(4901)がインスタントカメラや高級ミラーレスカメラなどが好調なことに加えて、円安の寄与もあり通期の営業利益の見通しを2500億円から2600億円に引き上げたことで10.7%高となったほか、マツダ(7261)も1台あたりの収益性が改善していることや円安の効果から通期の営業利益の見通しを1200億円から1400億円に引き上げたことで7.6%高となりました。コスモスエネルギーホールディングス(5021)も円安が進んだことで在庫評価が改善したことなどから通期の営業利益の見通しを1930億円から2320億円に上方修正したことで7.4%高となっています。

また、昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が10%余り上昇したことから半導体関連株が買われました。レーザーテック(6920)が16.0%高、SCREENホールディングス(7735)が7.8%高、アドバンテスト(6857)が9.1%高となったうえ、通期の業績予想を下方修正した東京エレクトロン(8035)も8.4%高となっています。

一方で上期の営業利益が大幅な減益となったテルモ(4543)やニコン(7731)が大幅安となりました。研究開発費や販管費が増えたことで上期の営業利益が前年同期比で15.0%減となったことでテルモが5.2%安となり、ニコンも液晶パネルの市況悪化を受けてパネルの製造装置の販売が減少したことなどから上期の営業利益が前年同期比で23.9%減となったことで8.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は817円高となりました。10月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが9月から減速し市場予想を下回ったことで米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの見方が広がり昨日の米国市場でダウ平均が1,200ドル以上上げ、ナスダック総合株価指数も7%を超える上昇となったことから大幅高となり、およそ2ヶ月ぶりに節目の28,000円を回復しました。そのため年末ラリーへの期待も出てきそうですが、まずは利益確定の売りが出やすいなかで28,000円で下値を固めることができるかがポイントとなりそうです。

なお、決算発表が続いていますが本日も引け後には三越伊勢丹ホールディングス(3099)や日本郵政3社、ソフトバンクグループ(9984)、楽天グループ(4755)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)