東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて3日ぶりに大幅反発となりました。299円高の27,404円で寄り付いた日経平均は直後に287円高の27,392円を付けた後上げ幅を広げると11時前に472円高の27,577円まで上昇し424円高の27,529円で前場を終えました。458円高の27,563円でスタートした後場の日経平均は27,500円を上回って推移すると大引け間際に497円高の27,602円まで上昇し結局482円高の27,587円で取引を終えています。一方で新興株は軟調で東証マザーズ指数が小幅に下落となっています。

2.個別銘柄等

上期の決算を発表し通期の業績予想を上方修正した銘柄に大きく上昇するものがみられました。日立(6501)がエレベーターの販売が想定より伸びていることなどから通期の調整後営業利益の見通しを7250億円から7530億円に引き上げ減益予想が増益予想になったことで6.0%高となったほか、アルプスアルパイン(6770)も顧客メーカーのスマートフォンの販売が好調でモバイル機器向けの製品が堅調に推移するうえ、自動車の生産回復によりカーナビなどの車載情報機器を扱うモジュール・システム事業の売り上げも伸びていることなどから通期の営業利益の見通しを475億円から500億円に引き上げたことで15.5%高となりました。

ベアリング大手のジェイテクト(6473)も10.9%高となりました。自動車向けの販売が北米やアジアを中心に回復したことに加え、円安や原価改善効果もあり第1四半期に大幅な減益だった事業利益が第2四半期に増益に転じ上期の事業利益が前年同期比で16.4%増となったことから買いを集めました。キーエンス(6861)も設備投資の需要が堅調で工場の省人化に使われるセンサーなどが伸びたことなどから上期の営業利益が前年同期比で22.3%増となり市場予想を上回ったことで8.9%高となっています。

一方で通期の営業利益の見通しを下方修正した日本碍子(5333)やアンリツ(6754)が大きく下げました。日本碍子は北米の工場の労務費上昇などで利益率が悪化することなどから通期の営業利益の見通しを900億円から780億円に引き下げたことで6.7%安となり、アンリツも主力の通信計測事業で原材料価格の高騰や世界的なインフレが重荷となり通期の営業利益の見通しを190億円から175億円に引き下げたことで7.4%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は482円高となりました。米アップル(AAPL)の市場予想を上回る決算を好感した買いで先週末の米国市場が大幅上昇となったことで大きく反発しました。朝方は節目の27,500円を上回ったところで伸び悩む場面もありましたが、前引けにかけて上げ幅を広げると27,500円を上回って推移し26日に回復に失敗した75日移動平均線(27,560円)を小幅に超えて取引を終えています。今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果や米雇用統計の発表を控え様子見になりやすいといえます。したがってこうしたなかでここからさらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、決算発表が本格化していますが本日も引け後にはコマツ(6301)や村田製作所(6981)、パナソニックホールディングス(6752)などが決算を発表する予定です。また、明日は取引時間中にトヨタ(7203)が決算を発表するほか、引け後にはソニーグループ(6758)が決算を発表する予定で注目を集めそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)