先週、GAFAM企業の決算発表はアップル以外ほぼ総崩れとなる中でも米国株式市場は上昇しました。ショートポジションが大きく積み上がっていたためではないかと考えています。その流れを受けて、長期金利は低下、米ドル安、株高、暗号資産高になりました。

今週はFOMC(米連邦公開市場委員会)が予定されています。市場の予想通り利上げ幅は0.75%になるでしょう。注目すべきは12月の利上げ幅です。FF金利先物市場では0.50%と0.75%の利上げ確率がほぼ半々となっており、やや0.50%の利上げ確率が優勢となっている状況です。

政策金利の最終到達点は5.00%あたりになる可能性が高いこともあり、2023年は0.25%の利上げ2回でこのレベルに到達します。市場は利下げを少しずつ意識したポジション作りを始めているようです。これは暗号資産市場にとって追い風になるように思います。本格的な上昇は2023年以降かもしれませんが、BTCやETHの値動きには、その兆候が出始めているのではないでしょうか。

BTC(ビットコイン)は下降トレンドラインに到達

【図表1】BTC/JPY 週足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

重要局面に差し掛かってきたため、今週はBTC/JPY週足チャート分析からお伝えしたいと思います。

2021年の最高値から下降トレンドライン引いてみました(図表1参照)。現在はそのレジスタンスラインとなるポイントに差し掛かっています。今週はこのラインを上抜けて陽線クローズすることがポイントになるでしょう。現状の水準を力強く上昇して抜けていく場合、目先のレジスタンスは335万円前後になります。

【図表2】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

日足チャート分析に移ります。

日足ベースでラインを引くと三角保ち合いの形状になります。つまり週足でも日足でもそれぞれ上値を抑える抵抗線が存在するわけです。このように考えますと、この水準を超えることは難しいかもしれません。

買い目線を継続しつつも、一旦このあたりで一部利益確定し、押し目買いを待つ方がよいかもしれません。9月から10月にかけて買い場であった260−280万円のポジションを何割かクローズし、再び295万円付近のレジサポラインからの押し目買いを狙うことも1つの選択肢ではないでしょうか。

ETH(イーサリアム)は上昇しやすい地合いに

【図表3】ETH/JPY 週足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPY週足チャート分析に移ります。

こちらは下降トレンドラインが2本引けます(図表3参照)。1本目を突破し、2本目のレジスタンスラインに向けて続伸するような値動きになっています。このような値動きを見ると、ETHはまだ上値の余地を残しているように感じます。

BTCのポジションを一部売却しつつも、ETHはこのままポジション継続といったところでしょうか。日足に時間軸を落として見てみましょう。

【図表4】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

日足チャートでは、BTC同様に三角保ち合いを形成していましたが、上抜けしています。こちらは上昇しやすい地合いに入ってきていると言えるでしょう。MACDもようやくプラス圏に浮上してきており、上昇トレンドの機運が高まってきているように感じます。

またこの週末は、米テスラのイーロン・マスクCEOがこれまでに支持を表明してきたドージコインが急騰しました。一部のメディアではマスク氏のツイッター買収完了が思惑買いを誘ったためではないかと報じられています。

BTCについては一部のポジションを利益確定する戦略をお伝えしましたが、暗号資産市場に対する強気の目線は維持したいと思います。