東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて続伸となりました。69円高の27,225円で寄り付いた日経平均は取引開始から15分余りで36円高の27,192円まで弱含みましたが、マイナスになることなく踏み止まると上げ幅を広げ10時40分に215円高の27,371円まで上昇し197円高の27,353円で前場を終えました。162円高の27,319円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに171円高の27,327円を付けた後やや上げ幅を縮めると結局101円高の27,257円で取引を終えています。一方で新興株は軟調で東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

日産自動車(7201)が一時3.0%高となりました。仏ルノーのルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)が日産自との提携関係をより対等にする必要があると述べ、ルノーが43%保有する日産自動車株の一部を手放し出資比率を15%にそろえることを軸に協議を進めていると伝わったことから経営の自由度が高まることなどを期待した買いが入りました。

また、西村康稔経済産業相が原子力発電所の再稼働を進めることが円安対策になるとの認識を示したことで原発再稼働への期待が高まり電力株が高く、玄海原子力発電所3号機と4号機の定期検査工程を見直し再稼働を前倒しすると発表した九州電力(9508)が3.6%高となったほか、東京電力ホールディングス(9501)が一時4.0%高、関西電力(9503)が一時3.5%高、中国電力(9504)が3.0%高、北陸電力(9505)が4.5%高、四国電力(9507)も一時3.8%高となりました。

一方でクレディセゾン(8253)が7.1%安となりました。旧村上ファンド系の投資ファンドであるシティインデックスイレブンスの保有比率が従来の5.06%から3.98%に低下したことが関東財務局に提出した変更報告書で明らかになったことで経営改善などへの思惑が後退し売りが優勢となりました。さらに投資判断と目標株価の引き下げを受けて売られたのがアダストリア(2685)やシマノ(7309)で、アダストリアが一時3.3%安となり、シマノも5.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は101円高となりました。市場予想を上回る企業決算を好感した買いが続き昨日に米国市場が上昇したことで続伸となりました。昨日に25日移動平均線を超えてきたのに続いて本日は200日移動平均線(27,247円)を上回るなど上値抵抗線として意識されやすい水準を次々と抜けてきたことで週後半の一段高への期待も高まりますが、こうしたなかで買いが優勢となった場合には75日移動平均線(27,470円)や一目均衡表の雲の下限(27,532円)を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の21時30分に9月の米住宅着工件数が発表されるほか、20日の午前3時には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される予定です。また、19日の米国ではテスラ(TSLA)やプロクター・アンド・ギャンブル(PG)、IBM(IBM)などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)