【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 30,185.82  △550.99 (10/17)
NASDAQ: 10,675.80  △354.41 (10/17)

1.概況

米国市場は決算発表が本格化するなか市場予想を上回る金融大手の決算が続いていることで企業業績悪化への懸念が後退したことや、英政府が減税策の撤回を発表したことで金融市場の混乱が落ち着くとの期待も出て大幅反発となりました。424ドル高でスタートしたダウ平均は直後に677ドル高まで上昇した後伸び悩み昼前に362ドル高まで上げ幅を縮める場面もありましたが、その後持ち直すと結局550ドル高の30,185ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も354ポイント高の10,675ポイントとなり3%を超える上昇となっています。

2.経済指標等

10月のニューヨーク連銀製造業景気指数はマイナス9.1と前月から低下し市場予想も下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも一般消費財・サービスが4%を超える上昇となり、不動産も4%近く上げました。また、コミュニケーション・サービスと情報技術も3%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)を除く29銘柄が上げました。そのなかでもJPモルガン・チェース(JPM)が4%を超える上昇となったほか、マイクロソフト(MSFT)も4%近く上げました。セールスフォース(CRM)とアメリカン・エキスプレス(AXP)、ウォルト・ディズニー(DIS)も3%を超える上昇となり、アップル(AAPL)も3%近く上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株の上昇が目立ちテスラ(TSLA)が7%高となり、ネットフリックス(NFLX)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)も6%を超える上昇となりました。フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)も5%以上上げています。また、半導体株も堅調でエヌビディア(NVDA)が6%近く上昇し、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も3%以上上げました。さらに決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったバンク・オブ・アメリカ(BAC)が6%余り上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%低い4.01%となりました。ドル円は一時149円台を付け1990年8月以来32年ぶりの円安水準となっています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の27,000円を回復し25日移動平均線(昨日時点で27,121円)を上回ることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)