【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 29,210.85  ▼28.34 (10/12)
NASDAQ: 10,417.10  ▼9.09 (10/12)

1.概況

米国市場は米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて様子見となるなか小幅に下落となりました。6ドル安でスタートしたダウ平均はまもなくしてプラスに転じると昼過ぎに215ドル高まで上昇するなど堅調に推移しましたが、引けにかけて下落に転じると結局28ドル安の29,210ドルで取引を終え反落となっています。また、S&P500株価指数が11ポイント安の3,577ポイントと6日続落となり9月30日に付けた年初来安値(3,585ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も9ポイント安の10,417ポイントとこちらも6日続落となり3日連続で年初来安値を付けています。

2.経済指標等

9月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.4%上昇し市場予想を上回りました。また、9月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では参加者がインフレの抑制のためより制限的な政策スタンスに移行し、維持する必要があると判断していたことが明らかになりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、公益事業が3%を超える下落となったほか、不動産も1%以上下げています。一方でエネルギーや生活必需品、一般消費財の3業種が上げ、コミュニケーション・サービスは横ばいでした。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が2%余り下げたほか、ウォルマート(WMT)も1%以上下落しました。一方でJPモルガン・チェース(JPM)とコカ・コーラ(KO)、インテル(INTC)が1%以上上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、配車サービスのリフト(LYFT)が投資判断の引き上げを受けて5%を上回る上昇となりました。飲料・食品のペプシコ(PEP)も決算が市場予想を上回る増収増益となったことなどで4%以上上げています。

また、クルーズ船のノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)が投資判断の引き上げを受けて11%を超える上昇となりました。同業のロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)とカーニバル(CCL)も高く、ロイヤル・カリビアン・クルーズが11%以上上げ、カーニバルも10%余り上昇しています。半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)は取引終了後に米政府による中国への輸出規制の強化を受け8-10月期の業績見通しを引き下げたことから時間外で一段安となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.06%低い3.89%となりました。ドル円では政府・日銀が9月22日に円買い介入を実施した水準を超えて円安が進み146円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅な下落に止まったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか今晩に米消費者物価指数の発表を控えていることから様子見ムードの強い一日となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)