先週の米国株市場は力強く上昇
米国株は、1年間で最も下落しやすい9月の最終10日間を乗り越え、10月に突入した先週10月3日(月)は早速2.59%上昇、翌4日(火)も3.06%上げ、力強く始まりました。
その後7日(金)に発表された9月の雇用統計は263,000人と、事前予想の255,000人を上回りました。失業率も事前予想の3.7%に対して3.5%と発表され、いずれもFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを継続しても、雇用は強いことを示唆する内容だったことから、労働市場の過熱感が強いと判断され、市場はネガティブに反応しました。これを受け、S&P500は7日(金)に2.8%下落したものの、最終的に1週間を通してみると、S&P500は1.51%上昇、ナスダック100は0.62%上昇となりました。
米国株式市場の注目ポイントは金利から企業業績へ
これまでは金利主導の米国株式市場でしたが、当面は企業業績に注目すべきでしょう。今週から第3四半期の決算発表の季節に入りますが、いつものように金融機関の決算発表から始まります。先週末段階のS&P500の第3四半期の業績予想は、前年比で2.57%の増益が期待されていますが、これは2020年の第3四半期来の低レベルの増益の見通しです。
6月25日の段階では10.3%の増益予想でしたから、約3ヶ月の間マーケットが調整してきた間に約7.7ポイント下方修正が起きたことになります。既にここまで下方修正が起きていますので、今回の決算発表でどのように変化していくのかがポイントです。
金融データの提供を行なっているファクトセット・リサーチ・システムズによると、最終的に第3四半期の業績は6−7%の増益で終わるのではないかとのことです。これは企業が決算発表前に投資家の業績に対する期待を下げておき、実際の発表で下がった事前予想を上回り好感させるというエクスペクテーション・コントロール(期待管理)を上手に行ってきたというパターンがあることを理由にしています。
業績の見通しに対して悲観的な見方をしている市場参加者が多い中、もし、そうなるとすれば、これはマーケットにとってはプラスの材料になるでしょう。
今週決算発表がされる主要企業としては、今週10月11日(火)にはペプシコ(PEP)、14日(金)にはJPモルガンチェース(JPM)、 ウエルス・ファーゴ(WFC)、ユナイテッド・ヘルス(UNH)、モルガン・スタンレー(MS)などが予定されています。
また、金融引き締め懸念が再燃している中、今週はPPI(生産者物価指数)、CPI(米国消費者物価指数)などのインフレ関連指数の結果、そしてFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録の内容にも注目されることになります。
今週市場が注目する経済指標
10月12日(水)9月の生産者物価指数(PPI)、FOMC議事録
10月13日(木)9月の消費者物価指数(CPI)
10月14日(金) 9月のミシガン大学消費者信頼感指数