【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 29,926.94  ▼346.93 (10/6)
NASDAQ: 11,073.31  ▼75.33 (10/6)

1.概況

米国市場は長期金利の上昇が重石となったほか、米雇用統計の発表を控えていることからポジション調整の売りも出て続落となりました。67ドル安でスタートしたダウ平均は朝方にプラスとなる場面もありましたが、55ドル高で伸び悩むとマイナスに転じ下げ幅を広げました。取引終盤に414ドル安まで下落したダウ平均は引けにかけてやや持ち直したものの結局346ドル安の29,926ドルで取引を終え30,000ドルの大台を割り込んでいます。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も75ポイント安の11,073ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万9000件増の21万9000件となり市場予想を上回る悪化となりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が下げ、公益事業と不動産が3%を超える下落となりました。一方でエネルギーが2%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が下げました。そのなかでもスリーエム(MMM)が3%を超える下落となったほか、IBM(IBM)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、コカ・コーラ(KO)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、JPモルガン・チェース(JPM)も2%以上下げました。一方でシェブロン(CVX)とキャタピラー(CAT)、ホーム・デポ(HD)、ボーイング(BA)が上げ、シェブロンは2%近く上昇しています。

ダウ平均構成銘柄以外ではゼネラル・エレクトリック(GE)が2%近く下落しました。米国の陸上風力発電事業で従業員の2割を解雇すると伝わったことで業績悪化を懸念した売りが出ました。電気自動車のテスラ(TSLA)も最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏がツイッター(TWTR)の買収資金を確保するためにテスラ株の追加売却に迫られるとの懸念から1%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁が積極的な利上げを停止するのはかなり先と述べたことなどから0.06%高い3.82%となりました。ドル円は145円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか今晩に米雇用統計の発表を控え様子見となりやすいなかで日経平均が節目の27,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)