東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日続伸となりました。17円高の27,137円でスタートした日経平均は寄り付きを安値に上げ幅を広げると10時50分過ぎに271円高の27,391円まで上昇し249円高の27,370円で前場を終えました。277円高の27,398円でスタートした後場の日経平均は直後に278円高の27,399円を付けた後伸び悩んだものの27,300円を上回って推移すると結局190円高の27,311円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

楽天グループ(4755)が一時9.5%高となりました。みずほフィナンシャルグループ(8411)が傘下のみずほ証券を通じて楽天証券に出資する方針を固め、800億円規模で株式の約2割を取得し持ち分法適用会社とすると伝わったことで上げ幅を大きく広げる場面がありました。11時に上期決算を発表した三陽商会(8011)も7.6%高となり年初来高値を更新しました。外出機会の増加や行動制限の緩和により百貨店や直営店の集客が回復していることなどから通期の営業利益の見通しを12億円から16億円に上方修正したことで決算発表後に一段高となりました。また、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国でつくるOPECプラスが月に日量200万バレル減産することで合意し原油価格が上昇したことから石油関連株が高く、INPEX(1605)が一時4.0%高となったほか、石油資源開発(1662)が一時6.6%高、出光興産(5019)も一時3.0%高となりました。

一方でウェザーニューズ(4825)が9.6%安となりました。前年同期にあった放送局向けシステム更新の需要が一巡したうえ、販売促進費やソフトウエア開発の人件費の増加もあり第1四半期の営業利益が前年同期比で10.3%減となったことで売りが膨らみました。イオン(8267)も一時3.3%安となりました。客足の回復でショッピングモールや総合スーパー(GMS)事業の損益が改善したことなどで上期の営業利益が前年同期比で23.3%増となったことから買いが先行しましたが、株価が高値圏にあったことで買い一巡後に売りが優勢となり下げ幅を広げる場面がありました。イオンファンタジー(4343)も一時6.1%安となりました。中国でロックダウンの影響から店舗を休止したことに伴う特別損失の計上などが響き上期の最終損益が3億円を超す赤字となったことで売りがかさみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は190円高となりました。昨日の米国市場が小幅な下落に止まるなか昨日までの堅調な地合いを引き継ぎ買いが優勢となりました。200日移動平均線(27,316円)や25日移動平均線(27,364円)に加えて一目均衡表の雲の下限(27,371円)を上回る場面もありましたが、引けにかけて伸び悩むと200日移動平均線を下回って取引を終えています。明日は米雇用統計の発表や3連休を控え様子見になりやすいといえますが、こうしたなかで引き続き買いが優勢となった場合には本日に引けで超えることができなかった200日移動平均線や25日移動平均線、一目均衡表の雲の下限を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、先週から小売り企業を中心とした2月決算企業の上期決算がスタートしていますが本日も引け後にセブン&アイ・ホールディングス(3382)やローソン(2651)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)