名実ともに10月相場入りとなる今週は、先週までの悪い流れを止めて、回復への足掛かりが見られるか堪えどころである。先週末の日経平均の大幅安は、1)米国株安への連れ安、2)期末に絡むポジション調整、3)日経平均銘柄入れ替えの影響などが背景にあった。それらがなくなり、下半期のスタートで動きやすくなった機関投資家の押し目買いに期待したいところだ。
とは言え、週末に米国雇用統計を控えて様子見姿勢が強く、大幅反発も期待しにくい。まずは日経平均2万6000円台をしっかり固めるところからだろう。
今週は10月3日に日銀短観とISM製造業景況指数が、5日にISM非製造業景況指数が発表される。日米の景況感を見定める重要指標である。9月のISM製造業景況指数は52.2と好況不況の境である50は依然として上回るものの、8月からは低下する見通しである。米国製造業の景況感減速は明確だ。それに対して日銀短観では大企業製造業の業況判断指数(DI)はプラス11と前回6月調査のプラス9から4期ぶりに改善する見込み。金融引き締めで世界的に景気悪化が懸念されるなか、日本の優位性が改めて確認されれば日本株買いにつながる材料となり得るだろう。
米国の9月雇用統計では、失業率は3.7%と横ばい、非農業部門雇用者数は前月比25万人程度増加の見通し。平均時給も前年比5.2%程度上昇と前月並みが見込まれ、予想通りなら大きな波乱材料にはならないが、周知の通り雇用統計はブレやすいので、無論、警戒は怠れない。
ストラテジーレポートでも述べた通り、現在、相場の変動要因でもっとも重要なものは米国長期金利だ。それに影響を与える米国雇用統計も重要だが、欧州の状況からも目が離せない。英国の国債買い入れ期間終了(14日)までにはまだ猶予があるが、その日が近づくにつれて米国債市場の変動が再度激しくなることが、目先最大のリスクと認識するべきだろう。