【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 29,225.61 ▼458.13 (9/29)
NASDAQ: 10,737.51 ▼314.13 (9/29)
1.概況
米国市場は前日に急低下した長期金利が再び上昇したことでハイテク株を中心に売りが出て大幅反落となり、S&P500株価指数が年初来安値を更新しました。170ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に630ドル安余りまで下落した後昼過ぎに310ドル安程度まで一旦戻しましたが、取引終盤に再び下げ幅を広げると一時は686ドル安まで下落しました。その後引けにかけて持ち直したダウ平均ですが上値は重く結局458ドル安の29,225ドルで取引を終え反落となっています。また、S&P500株価指数も78ポイント安の3,640ポイントとこちらも反落となり27日に付けた年初来安値(3,647ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も314ポイント安の10,737ポイントと3%近い下落となり3日ぶりに反落となっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万6000件減の19万3000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。また、4-6月期の米実質GDP確定値は改定値と変わらずの年率換算で前期比0.6%減となり市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも公益事業が4%安となったほか、一般消費財・サービスも3%を超える下落となりました。また、不動産と情報技術、コミュニケーション・サービスも2%以上下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はトラベラーズ(TRV)とビザ(V)を除く28銘柄が下げました。そのなかでもボーイング(BA)が6%余り下落したほか、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も5%近く下げました。また、アップル(AAPL)も投資判断と目標株価の引き下げを受けて5%近く下げています。さらにナイキ(NKE)も3%を超える下落となり、インテル(INTC)とプロクター・アンド・ギャンブル(PG)、セールスフォース(CRM)、ハネウェル・インターナショナル(HON)も2%以上下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株の下げが目立ちテスラ(TSLA)が目標株価の引き下げを受けて7%近く下落し、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)も3%以上下げました。グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)、ネットフリックス(NFLX)も2%を超える下落となっています。半導体株も安く目標株価の引き下げを受けてアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が6%を超える下落となり、エヌビディア(NVDA)も4%余り下げています。クアルコム(QCOM)も3%以上下落し、ウエスタンデジタル(WDC)も3%近く下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.06%高い3.79%となりました。ドル円は144円半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか本日は日本時間の10時30分に9月の中国の製造業と非製造業の購買担当者景気指数(PMI)が、そして10時45分に9月の財新中国製造業PMIが発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)