【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 29,134.99 ▼125.82 (9/27)
NASDAQ: 10,829.50 △26.58 (9/27)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は長期金利の上昇を嫌気して6日続落となり年初来安値を更新しましたが、ナスダック総合株価指数はハイテク株の一角に短期的な戻りを期待した買いが入り6日ぶりに反発しました。159ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に398ドル高まで上昇しましたが、買い一巡後に伸び悩むと昼前にマイナスに転じ302ドル安まで下落しました。その後一旦前日の終値の近辺まで持ち直しましたが、戻し切れないと引けにかけてやや下げ幅を広げ結局125ドル安の29,134ドルで取引を終え、3日連続で年初来安値を更新しています。また、S&P500株価指数も7ポイント安の3,647ポイントとなり前日に続いて年初来安値を付けています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は26ポイント高の10,829ポイントとなっています。
2.経済指標等
8月の米耐久財受注額は前月比0.2%減となりましたが市場予想を上回りました。また、9月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数も108.0と前月から上昇し市場予想を上回りました。8月の米新築住宅販売件数も年率換算で前月比28.8%増の68万5000戸となり市場予想を上回っています。一方で7月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は前年同月比16.1%上昇しましたが市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、公益事業と生活必需品、不動産が1%を超える下落となりました。一方で4業種が上げ、エネルギーが1%以上上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では目標株価の引き下げを受けてマクドナルド(MCD)が3%近く下落したほか、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)とコカ・コーラ(KO)、ウォルト・ディズニー(DIS)も2%以上下げました。一方でセールスフォース(CRM)が1%を超える上昇となり、ダウ(DOW)も1%近く上げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、7-9月期の出荷台数が上振れるとの観測が出たことで電気自動車のテスラ(TSLA)が2%を上回る上昇となりました。レンタカーのハーツ・グローバル・ホールディングス(HTZ)も英石油大手のBPと提携し電気自動車向けの充電設備網を北米で構築すると発表したことで4%以上上げています。また、カナダ政府が10月から新型コロナウイルス対策を緩和すると発表したことでクルーズ船株が高く、ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)とロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)が4%前後の上昇となり、カーニバル(CCL)も3%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%高い3.94%となりました。一時は3.99%と2010年4月以来12年ぶりの高水準を付ける場面もありました。ドル円は144円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でダウ平均とS&P500株価指数が続落となり年初来安値を更新したことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか本日は権利付き最終売買日で、配当取りの買いに加え、引けにかけて配当の再投資に絡む先物買いがみられるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)