東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発となりました。221円高の27,788円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分弱で339円高の27,907円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと10時40分過ぎに60円高の27,627円まで上げ幅を縮め116円高の27,684円で前場を終えました。94円高の27,662円でスタートした後場の日経平均は14時50分前に137円高の27,705円まで上昇する場面もありましたが、概ね27,700円を小幅に下回って推移すると結局120円高の27,688円で取引を終えています。一方で新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

石原産業(4028)が一時4.3%高となりました。村田製作所(6981)と積層セラミックコンデンサなどに使われるチタン酸バリウム製造のための合弁会社設立で基本合意したと発表したことが材料視されました。果実酸大手の扶桑化学工業(4368)も一時5.5%高となりました。半導体研磨材に使う超高純度コロイダルシリカの販売が好調に推移していることや、増産によるコストダウンの効果もあり通期の業績予想を上方修正したことで大幅高となりました。スマホゲーム開発のgumi(3903)も一時15.6%高となり年初来高値を更新しました。出資先であるオーバースが準備する新規アイドルグループ創造プロジェクトの総合プロデューサーに秋元康氏が就任すると発表したことで今後の事業展開を期待した買いが入りました。しかし、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮めると後場に入ってマイナスに転じ引けは2.7%安となっています。

また、投資判断や目標株価の引き上げを受けて買われたのがキリンホールディングス(2503)や制御機器大手のIDEC(6652)で、キリンホールディングスが投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時3.2%高となり、IDECも目標株価の引き上げを受けて3.6%高となり年初来高値を更新しました。さらに東証スタンダード市場では幼児向け玩具・育児用品のピープル(7865)が14.4%高となり年初来高値を更新しました。米国向け商品「Magna-Tiles」の出荷量がピークとなったことなどで8月の売上高が前年同月比2.1倍と高い伸びとなったことで買いを集めました。

一方で電池用絶縁体を手掛けるダブル・スコープ(6619)が20.2%下落しストップ安となりました。韓国の新興市場に上場する韓国の連結子会社の上場時の時価総額が従来会社から示されていた見込みの下限を下回ったことで失望した売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は120円高となりました。米国市場でダウ平均が先週末と昨日の2日間トータルで57ドル高となったことや、先週末に日経平均が大きく下げた反動もあり買いが優勢となりました。しかし、一時は340円近く上昇しましたが、日本時間の22日未明に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えていることもあり様子見ムードも強く節目の28,000円を前に27,900円をわずかに上回ったところで伸び悩むと上げ幅を縮めました。明日は一段と様子見になりやすいといえますが、こうしたなかで引き続き買いが優勢となった場合には節目の28,000円を超えることができるかが、反対に売りが優勢となった場合には75日移動平均線(27,520円)や200日移動平均線(27,403円)を維持できるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の21時30分には8月の米住宅着工件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)