【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 30,961.82 ▼173.27 (9/15)
NASDAQ: 11,552.36 ▼167.32 (9/15)
1.概況
米国市場は米連邦準備理事会(FRB)による利上げ加速への警戒感が引き続き意識されるなかハイテク株などを中心に売りが出て反落となりました。10ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に142ドル高まで買われる一方で取引終盤に253ドル安まで下落するなど一日を通して一進一退の展開になると結局173ドル安の30,961ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も167ポイント安の11,552ポイントとなっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比5000件減の21万3000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。8月の米小売売上高も前月比0.3%増となり市場予想を上回りました。9月のニューヨーク連銀製造業景況指数もマイナス1.5と前月から上昇し市場予想を上回りました。一方で9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数はマイナス9.9と前月から低下し市場予想を下回りました。8月の米鉱工業生産指数も前月比0.2%低下し市場予想を下回りました。米設備稼働率も80.0%と前月から低下し市場予想を下回っています。
また、8月の米輸入物価指数は前月比1.0%低下しましたが市場予想ほど下がりませんでした。米輸出物価指数は前月比1.6%低下し市場予想を下回っています。7月の米企業在庫は前月比0.6%増となり市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、公益事業とエネルギー、情報技術、不動産が2%以上下落しました。一方でヘルスケアと金融の2業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が下げました。そのなかでもセールスフォース(CRM)が3%を超える下落となったほか、マイクロソフト(MSFT)も3%近く下げました。ビザ(V)も2%安となり、アップル(AAPL)も2%近く下落しています。一方で6銘柄が上げ、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が2%を上回る上昇となり、長期金利の上昇を受けてJPモルガン・チェース(JPM)とゴールドマン・サックス(GS)も1%以上上げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、動画配信のネットフリックス(NFLX)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて5%高となりました。医療保険のヒューマナ(HUM)も通期の1株利益の見通しを上方修正したことで8%を超える上昇となっています。ソフトウエアのアドビ(ADBE)は決算が市場予想を下回ったことなどで17%近く下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%高い3.45%となりました。ドル円は143円台半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような展開となるかがポイントとなりそうです。また、本日は日本時間の11時に中国で鉱工業生産指数や小売売上高など数多くの経済指標が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)