【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,104.97  ▼1,276.37 (9/13)
NASDAQ: 11,633.57  ▼632.84 (9/13)

1.概況

米国市場は8月の米CPIが市場予想を上回る上昇率となったことで米連邦準備理事会(FRB)による大幅利上げ継続を警戒した売りが出て5日ぶりに大幅反落となりました。374ドル安でスタートしたダウ平均は昼過ぎに930ドル安近くまで下落した後一旦下げ渋りましたが、引けにかけて再び下げ幅を広げると結局1,276ドル安の31,104ドルで取引を終えました。その結果ダウ平均の下落幅、下落率はともに今年最大となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も632ポイント安の11,633ポイントとなり5%を超える下落となっています。

2.経済指標等

8月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.3%上昇となり7月から上昇率が鈍化しましたが市場予想を上回りました。また、変動の激しいエネルギーと食品を除くコア指数は前年同月比6.3%上昇と7月から伸びが加速し市場予想を上回っています。さらに8月の米財政収支は2200億ドルの赤字となっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもコミュニケーション・サービスと情報技術、一般消費財・サービスが5%を超える下落となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでもインテル(INTC)とボーイング(BA)が7%を超える下落となったほか、ホーム・デポ(HD)とダウ(DOW)も6%以上下げました。ナイキ(NKE)とアップル(AAPL)も6%近く下落し、マイクロソフト(MSFT)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も5%以上下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株の下げが目立ちフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)が9%を上回る下落となり、アマゾン・ドット・コム(AMZN)とネットフリックス(NFLX)も7%以以上下げています。グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も6%近く下落し、テスラ(TSLA)も4%安となっています。

半導体株も安くエヌビディア(NVDA)とウエスタンデジタル(WDC)が9%を超える下落となり、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も9%近く下げています。マイクロン・テクノロジー(MU)も7%を上回る下落となり、クアルコム(QCOM)も6%余り下げています。また、インフレの高止まりが消費を冷やすとの懸念から百貨店株が安くノードストローム(JWN)が7%余り下落し、メーシーズ(M)も6%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は米CPIが市場予想を上回る上昇率となったことで0.05%高い3.41%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ144円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて大きく下げてのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は下げ幅を広げ節目の28,000円を割り込むことになりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)