先週後半から暗号資産市場は反発しています。ETH(イーサリアム)は木曜日(9月8日)から大きく上昇し、25万円を回復しました。金曜日(9月9日)はBTC(ビットコイン)も大幅に上昇し、回復の傾向にあります。

今週水曜〜木曜(9月14~15日)頃に、ETHの大型アップデート「The Merge」が実施されます。

米ドル高相場がここ1ヶ月間以上続き、米ドル/円を始め、ドルストレート通貨ペアで米ドル高の状況下で、BTC/USDやETH/USDは下落しませんでした。ETH/USDに至っては緩やかな上昇トレンドでした。私は悲観的に考えていましたが、それでも下落することはありませんでした。このような値動きの際、マーケットは逆に向かう場合が多いです。

私は、先週後半から見通しを改め、しばらくETHを上昇トレンド目線に切り替えました。またBTCも反転方向を意識しつつトレードを開始したいと思います。

BTC(ビットコイン)、再び335万円に向けて上昇か

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

まずはBTC/JPY日足チャート分析です。

SMA30(1ヶ月移動平均線)とSMA90(3ヶ月移動平均線)を上抜けており、SMA7(7日移動平均線)も本日あたりにゴールデンクロスを実現しそうです。

MACDも0.00ラインを上に抜けようとしており、陽転間近です。もしかすると2022年9月はアノマリーと逆方向に動くかもしれません。と言うのも、SNSなどメディアを通じた情報伝達の速さから9月のリスクオフ相場はもはや世界中の投資家の中で織り込みの可能性が高いように感じられるからです。

プロのファンドトレーダーはもちろんのこと、YouTube等で発信している個人投資家の意見を見ていても、リスクオフの見通しを持っている方々が多いように感じられます。このように1つの見方が広く共有されますとマーケットは逆に動く傾向があるように思います。

今週火曜日(9月13日)には米CPI(消費者物価指数)が発表される予定です。市場予想は前月よりも低めの+8.1%(前年同月比)となっています。ここ最近、原油価格が下落していることもあり、10月発表の米CPIはさらに低下傾向になるのではないかと考えています。その場合、米国株式市場が反発する可能性も高く、それに連れるかたちで暗号通貨市場も上昇するかもしれません。

BTC/JPYはSMA30やSMA90をサポートに買いトレードを仕掛けるイメージです。よって今週は、292-300万円レベルからの押し目買い戦略をメインシナリオとして考えたいと思います。

ETH(イーサリアム)、「The Merge(ザ・マージ)」後の値動きに注目

【図表2】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いて、ETH/JPY日足チャート分析です。

ETHはSMA90で見事にサポートされて反発しました(図表2参照)。SMA7→30→90という順序に並んでいます。この移動平均線の並びは上昇トレンド開始の合図になります。

MACDもまだ0.00付近ですので、タイミング的にも良いと思います。テクニカル分析ではエントリーしやすい形状が整っている状況です。

米CPIが市場予想を下回る場合や、The Mergeアップデート後、ETHマイニングが日量で従来よりも大幅に削減される場合は、上昇となる可能性があるでしょう。

The Mergeに関しては、将来的に価格上昇の要因になるのではないかと私は考えています。ETHは1日あたり12,500ETHが市場に供給されていましたから、このマイニング量が半分以下に減少したとしても、BTCの半減期相当に匹敵します。つまり、現状の供給量(1日12,500ETH発行)で価格が拮抗しているならば、1日に出てくるマイニング報酬量の半減分、つまり足りない分が市場で買い戻されることになります。

ETH/JPYは上昇し始める条件が整いつつあると思います。リスクオフ方向へのポジションもいくつか残っていると考えられますので、直近高値を超えた場合、思わぬ上昇を演じる可能性もありそうです。ここしばらく様子見の姿勢を強めていましたが、今週よりETH中心に買い方向でトレード予定です。

押し目買いの水準はBTC/JPY同様にSMA30のサポートラインからと考えています。価格にしておよそ23万円台前半からになります。よって、今週の買い場水準を23-24万円に定めたいと思います。