東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に3日続落となりました。94円高の27,755円で寄り付いた日経平均は直後に110円高の27,772円を付けた後上げ幅を縮めるとマイナスに転じ9時50分過ぎに90円安の27,570円まで下落しました。その後持ち直し10時30分過ぎにプラスとなりましたが、10円高の27,671円で伸び悩むとマイナスとなり57円安の27,604円で前場を終えました。45円安の27,616円でスタートした後場の日経平均はプラスとなり13時20分前に19円高の27,681円を付けましたが、伸び悩むとマイナスとなり結局10円安の27,650円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
8月の売上高が大きく伸びた百貨店株が堅調でした。国内百貨店の売上高が前年同月比で33.6%増となった三越伊勢丹ホールディングス(3099)が一時5.2%高、23.4%増となった高島屋(8233)が一時3.0%高、42.6%増となったエイチ・ツー・オー リテイリング(8242)も一時4.9%高となり、三越伊勢丹ホールディングスと高島屋は年初来高値を更新しました。銀座本店の売上高が42.7%増となった松屋(8237)も一時3.0%高となっています。オフィス向けのコーヒーサービスなどを手掛けるダイオーズ(4653)も14.3%高となり年初来高値を更新しました。1株1,500円の価格で投資ファンドのインテグラルと組んでTOB(株式公開買い付け)を実施し、MBO(経営陣が参加する買収)を行うと発表したことでTOB価格にさや寄せする格好で急伸となっています。
一方で本決算を発表した内田洋行(8057)が5.0%安となりました。販売促進費用の増加や管理システムへの投資が重荷となり2023年7月期の営業利益が前期比で18.9%減となる見通しを発表したことで大幅安となりました。ケーズホールディングス(8282)も3.3%安となりました。テレビや調理家電、洗濯機などの販売が振るわなかったことで8月のグループ売上高が前年同月比7.7%減となったことで売りが優勢となりました。東証スタンダート市場ではワークマン(7564)が4.2%安となり12日続落となりました。7月まで夏物商品に前倒し需要があり低調となったことや、前年と比べて降雨日が少なくレインウエアや長靴が前年を下回ったことなどから8月の既存店売上高が前年同月比で4.0%減となったことを嫌気した売りが出ました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は10円安となりました。昨日の米国市場でダウ平均が反発したことや140円台前半まで円安が進んでいたこともあり買いが先行し寄り付き直後には上げ幅を三桁に広げました。しかし、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮めるとマイナスに転じました。その後プラスとなる場面もみられましたが、8月の米雇用統計の発表を控えていることから様子見ムードが強く伸び悩むと結局小幅に下げて取引を終えています。その米雇用統計は日本時間の21時30分に発表となりますが、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅や今後の金融政策を占ううえで重要な経済指標として関心が高いだけにマーケットの反応が注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)