今週(8月26日~9月1日)の相場動向

相場回顧 BTC:パウエルFRB議長講演を受けて米国株とともに大幅下落

ビットコインは、ジャクソンホール会議でパウエルFRB議長が金融引き締めの継続を強調したことで、米国株とともに大きく下落した。ダウ平均が1,000ドルを超える下げを記録するなか、ビットコインもBTC=271万円(19,500ドル)付近まで下落した。割安感から米国株とともに買い戻され、BTC=278万円(20,000ドル)を回復する場面はみられた。しかし、米求人件数と米消費者信頼感指数がともに市場予想を上回ったことで利上げ加速の懸念が強まり再び下落した。しかし、PoS移行を控えるイーサリアムの強い値動きに支えられてBTC=271万円(19,500ドル)付近では底堅く推移した。当局者からも一段の利上げを支持する発言が相次ぐなか、米国金利の上昇を受けて株式市場は売りが続いたが、ビットコインはBTC=278万円(20,000ドル)を挟んでもみ合いの展開となった。週末にかけては米8月雇用統計の発表を前に小幅な値動きとなった。

 

来週(9月2日~9月8日)の相場予想

BTCは米金利上昇のなか軟調継続が懸念される一方、ETHが相場を下支える

金融市場ではインフレ長期化懸念が再燃している。今日日本時間夜9時半に発表される米8月雇用統計が堅調だった場合には、次回FOMCでの0.75ポイント利上げの思惑が強まり、米国株とともにビットコインの売りが強まる可能性が高い。世界的な利上げ観測が強まるなか米国金利が大きく上昇しており、このまま6月のピーク水準まで上昇した際には売りが継続すると考えられる。また、来週はECB理事会が開催される。前回のECB利上げ幅が想定外に大きかった直後もビットコインの下落が目立ち、今回0.75ポイントへ利上げ幅が拡大したときには同様に売りが強まるだろう。

暗号資産市場ではイーサリアムのPoS移行に向けた本番環境のアップデートが始まる。来週から再来週にかけてはイーサリアムの買いが継続すると予想される一方で、思惑的な売買によりボラティリティも高まるだろう。イーサリアムの先物建玉レバレッジ比率が過去最高水準に達しているとの分析もあり、近いうちに過度な期待の反動で大きな下落が起こるリスクも警戒しなければならない。

直近上値としてBTC=306万円(22,000ドル)、下値としてBTC=264万円(19,000ドル)を意識する。

※1ドル=139.00円で換算(執筆時)