東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて続伸となりました。160円高の28,639円で寄り付いた日経平均は取引開始から1時間余りで313円高の28,792円まで上昇した後やや上げ幅を縮めると266円高の28,745円で前場を終えました。257円高の28,736円でスタートした後場の日経平均は14時10分過ぎに145円高の28,624円まで上げ幅を縮めると結局162円高の28,641円で取引を終えています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が小幅に上昇となっています。

2.個別銘柄等

ソニーグループ(6758)が一時2.0%高となりました。物価上昇や急激な円安によるコスト上昇を製品価格に転嫁するため家庭用ゲーム機のプレイステーション5を値上げすると発表したことで収益への貢献を期待した買いが入りました。また、投資判断と目標株価の引き上げを受けて買われたのが東レ(3402)やホシザキ(6465)で、東レが一時4.5%高となり年初来高値を更新し、ホシザキも3.0%高となりました。さらに昨日の米国市場で主要な半導体銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大幅高となったことで日本市場でも半導体関連株が高く、なかでも東京エレクトロン(8035)が一時3.4%高となっています。

一方でジャフコ グループ(8595)が8.9%安となりました。旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンが保有株式の一部を売却し共同保有分を含めた保有割合が11.87%から10.75%へと低下したことが関東財務局に提出した変更報告書で判明したことで売りが膨らみました。島津製作所(7701)も一時2.5%安となりました。医療機器の販売や保守業務を手掛ける子会社でX線撮影装置のサービスを提供する際に不適切な行為があった疑いがあるとして調査を進めていると発表したことを嫌気した売りが出ました。サカイ引越センター(9039)も7.1%安となりました。9月1日-6日を予定期間として60万株の立会外分売を実施すると発表したことで短期的な需給の悪化を懸念した売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は162円高となりました。上昇基調にあった米長期金利の上昇一服を受けて昨日の米国市場が大幅続伸となったことで買いが優勢となり、昨日に上値を押さえられた節目の28,500円を超えて上げ幅を広げました。しかし、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控えていることもあり後場に入ると伸び悩みました。そのジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演は日本時間の23時に予定されていますが、過去に何度か金融政策に関して重要な発言がなされ大きな材料となったこともあるだけにマーケットの反応が注目されます。また、21時30分には7月の米個人消費支出(PCE)と米個人所得が発表されるほか、23時には8月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)