【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 32,909.59 ▼154.02 (8/23)
NASDAQ: 12,381.30 ▼0.27 (8/23)
1.概況
米国市場は米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めを警戒した売りが続いたことや、冴えない経済指標も相場の重石となり3日続落となりました。30ドル安でスタートしたダウ平均は朝方にプラスとなる場面もありましたが、74ドル高で伸び悩むと下げ幅を広げ昼過ぎには204ドル安まで下落しました。その後下げ渋ったダウ平均ですが軟調に推移すると結局154ドル安の32,909ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も0.2ポイント安の12,381ポイントとわずかに下落となっています。
2.経済指標等
8月の米製造業PMI速報値は51.3と前月から低下し市場予想も下回りました。7月の米新築住宅販売件数も年率換算で前月比12.6%減の51万1000戸となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産やヘルスケア、コミュニケーション・サービス、公益事業などの7業種が下げ、不動産とヘルスケアが1%以上下落しています。一方でエネルギーや素材などの4業種が上げ、エネルギーは3%を超える上昇となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)が3%以上上げ上昇率トップとなったほか、キャタピラー(CAT)も3%近く上げています。また、ダウ(DOW)も2%を上回る上昇となっています。一方でプロクター・アンド・ギャンブル(PG)が2%近く下げ下落率トップとなり、ホーム・デポ(HD)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、メルク(MRK)も1%以上下落しています。
ダウ平均構成銘柄以外では、百貨店のメーシーズ(M)が決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで4%近く上げています。外食のデニーズ(DENN)も投資判断の引き上げを受けて7%余り上昇しました。ビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)は決算で売上高が市場予想を下回ったことなどで16%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い3.04%となりました。ドル円は136円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が小幅な下げに止まったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,500円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)