東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に続落となりました。米国株高を受けて153円高の29,095円で寄り付いた日経平均は直後に208円高の29,150円まで上昇した後上げ幅を縮めると10時30分過ぎにマイナスに転じましたが、29円安の28,913円で下げ渋ると持ち直し25円高の28,967円で前場を終えました。26円高の28,968円でスタートした後場の日経平均はしばらく昨日の終値を挟んで小幅に揉み合いましたが、14時頃から売りがやや優勢になるとその後は28,900円台前半で推移し結局11円安の28,930円で取引を終えています。一方でTOPIXは小幅に上昇となりましたが、新興株は軟調で東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
アシックス(7936)が4.2%高となり年初来高値を更新しました。主力のランニングシューズの売り上げ増につなげるため日本テレビホールディングス(9404)と共同でランニング愛好者向けサイトやアプリを手掛けるアールビーズを買収すると発表したことが材料視されました。北越コーポレーション(3865)も3.0%高となりました。大量保有報告書で香港の投資ファンドのオアシス・マネジメントが保有割合を9.69%から11.89%へと引き上げたことが判明したことから買いが優勢となりました。また、スイスの資源大手グレンコアが日本の需要家と交渉していた発電用石炭の大口契約価格が一部で決着し2022年4月からの年間価格が1年前の約3倍超の1トン375ドルと過去最高値になったと伝わったことで石炭商社の三井松島ホールディングス(1518)が6.9%高となったほか、東証スタンダード市場でも住石ホールディングス(1514)が4.8%高となりました。
さらに目標株価の引き上げを受けて高値を付けたのがフジクラ(5803)や牛丼チェーンのすき家を展開するゼンショーホールディングス(7550)で、フジクラが6.6%高となり年初来高値を更新したうえ、ゼンショーホールディングスも3.4%高となり上場来高値を更新しています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は11円安となりました。利上げ減速期待が相場の支えとなり昨日の米国市場が小幅に反発したことで買いが先行し節目の29,000円を上回って寄り付きました。しかし、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮めると29,000円を割り込み小幅にマイナスとなりました。昨日の下げで5%を超えていた25日移動平均線との乖離率が3%台後半まで縮まるなど一部では過熱感が解消されましたが、東証1部の騰落レシオが依然として120%を上回っていたことなどもあって上値は重く伸び悩みました。来週は26日の夜にジャクソンホール会議でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が予定されていることから様子見になりやすいといえます。こうしたなかで29,000円を上回って水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)