【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,999.04  △18.72 (8/18)
NASDAQ: 12,965.34  △27.22 (8/18)

1.概況

米国市場は前日公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けての利上げ減速期待が相場の支えとなり小幅反発となりました。1ドル高とほぼ横ばいでスタートしたダウ平均は朝方に130ドル安程度まで下落した後持ち直すと昼前にプラスとなりましたが、10ドル高余りで伸び悩むと再びマイナスに転じ昼過ぎには135ドル安まで下落しました。しかし、その後下げ幅を縮め引けにかけてプラスに転じると結局18ドル高の33,999ドルで取引を終え反発となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も27ポイント高の12,965ポイントと3日ぶりに反発となっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2000件減の25万件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。8月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数も6.2と前月から上昇し市場予想を上回りました。また、7月の米景気先行指標総合指数は前月比0.4%低下しましたが市場予想を上回っています。一方で7月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比5.9%減の481万戸となり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや情報技術、公益事業など7業種が上げ、エネルギーは2%を超える上昇となりました。一方で不動産やヘルスケアなどの4業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではシスコシステムズ(CSCO)が決算で売上高などが市場予想を上回ったうえ、8-10月期の売上高見通しも市場予想以上だったことから6%近く上げ上昇率トップとなりました。また、シェブロン(CVX)とインテル(INTC)、ダウ(DOW)も1%以上上げています。一方で医療用麻薬のオピオイド訴訟で連邦地裁が賠償命令を出したことでウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が5%以上下げ下落率トップとなったほか、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて2%を上回る下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、決算が減収減益となり1株利益も市場予想を下回った百貨店のコールズ(KSS)が7%以上下げました。家庭雑貨小売りのベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY)も大株主であるライアン・コーエン氏率いる投資会社が保有する株を全て売却する意向を明らかにしたことで20%近く下げています。取引終了後に決算を発表した半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)は売上高や1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で一段高となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%低い2.88%となりました。ドル円は135円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしなか日経平均が節目の29,000円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)