モトリーフール米国本社、2022年8月9日 投稿記事より

主なポイント

・アマゾンとショッピファイは2022年に株式分割を実施済、テスラも間もなく実施予定
・メルカドリブレとコストコも株式分割を発表する可能性がある

メルカドリブレとコストコは過去5年間に株価が大幅に上昇しており、近い将来に株式分割が行われる可能性がある

アマゾンは2022年3月に1対20の株式分割を発表し、1999年以来の株式分割となりました。同様に、ショッピファイは4月に1対10の株式分割を発表し、テスラも8月上旬に1対3の株式分割が株主に承認されました。一部の投資家は、株価が大幅に上昇していなければ株式分割は行われないという理由から、一連の出来事を強気の兆候と捉えています。

その点において、メルカドリブレとコストコ・ホールセールの株価は過去5年間に、それぞれ326%と246%上昇しており、どちらも近い将来に株式分割が行われても決しておかしくありません。

これらの銘柄は今が買い時なのでしょうか。

1. メルカドリブレ

メルカドリブレは、中南米最大のEコマースプラットフォームおよび決済サービスのエコシステムを運営しています。同社のマーケットプレイスは、地域の他のEコマースサイトと比べてユニークビジター数やページビューが最も多く、強力なネットワーク効果を生み出しています。より多くの消費者にリーチできることから、マーチャントは最も人気のあるプラットフォームに集まります。そしてより多くの商品をマーケットプレイスに出品することで、消費者エンゲージメントをさらに高めることができるのです。

同社はまた、物流、融資、デジタル広告といったさまざまな周辺サービスでも強力なリーダーシップを発揮しています。さらに、フィンテック事業の「メルカド・パゴ」は、プラットフォーム外のマーチャントに急速に普及しており、マーケットプレイスを超えた収益力強化に大きく寄与しています。実際、直近四半期の決済総額(TPV)のうち、プラットフォーム外の決済額は70%を占め、この割合は前年同期の58%から上昇しました。

メルカドリブレの強力な市場ポジションは、堅調な業績に表れています。過去1年間の売上高は60%増の88億ドル、GAAPベースの希薄化後1株当たり利益(EPS)は4.73ドルと、前年の0.05ドルの損失から大きく改善しました。

今後についても、メルカドリブレには大きな成長余地があります。調査会社スタティスタによると、中南米で同社が事業を展開する地域全体のEコマース売上高は2022年に1,570億ドル、デジタル決済額は2,580億ドルに達する見通しです。これに対し、メルカドリブレの流通総額(GMV)は2021年に280億ドル、TPVは770億ドルでした。

つまり、近いうちに株式分割を実施するかどうかに関係なく、メルカドリブレは長期投資に適したグロース株と言えます。

2. コストコ・ホールセール

コストコは世界で829店舗を展開する倉庫型小売りチェーンで、大半の店舗が北米にあります。会員制のビジネスモデルを採用し、食品、雑貨、ガソリン、医薬品といった幅広い商品を顧客に提供しています。

コストコにはいくつかの競争優位性があります。まず、同社は在庫を品質、価格、ブランドに基づいて慎重に評価しており、他の多くのスーパーマーケットが3万SKU(最小在庫単位)もの商品を置いているのに対し、コストコの店舗には4,000 SKUしか置いていません。そのため、コストコの商品棚を獲得したいサプライヤーに対する同社の購買力は強く、安い仕入が可能になった分を顧客に還元することができるのです。

同社はまた、プライベートブランドの「カークランド・シグネチャー」を通じて自社で商品開発も行っています。CNNによると、その垂直統合により、有名ブランドの代替品を20%も安い価格で販売し、なおかつ高い利益率を獲得しています。つまり、カークランド・シグネチャーの商品は、収益性の改善と顧客ロイヤルティの向上という点で、コストコに貢献しているのです。

厳しいマクロ経済環境にもかかわらず、コストコの業績は好調です。過去1年間の売上高は17%増の2,175億ドル、希薄化後EPSは19%増の12.70ドルでした。

この勢いは今後も続く見通しです。世界の小売売上高は、2025年にかけて年率約5%の成長が見込まれていますが、世界第5位というコストコの力強い市場ポジションを考えると、同社は業界平均を上回るペースで成長する可能性があります。こうしたことから、株式分割の有無に関わらず、コストコ株は検討に値するかもしれません。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。アマゾンの子会社であるホールフーズ・マーケットのCEO、John Mackeyは、モトリーフール米国本社の取締役会のメンバーです。元記事の筆者Trevor Jennewineは、アマゾン、メルカドリブレ、ショッピファイ、テスラの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はアマゾン、コストコ・ホールセール、メルカドリブレ、ショッピファイ、テスラの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールは以下のオプションを推奨しています。ショッピファイの2023年1月満期の1,140ドルコールのロング、ショッピファイの2023年1月満期の1,160ドルコールのショート。モトリーフールは情報開示方針を定めています。