東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅反落となりました。180円安の27,812円で寄り付いた日経平均は直後に162円安の27,830円を付けた後下げ幅を大きく広げると11時20分過ぎに462円安の27,530円まで下落し443円安の27,549円で前場を終えました。435円安の27,557円でスタートした後場の日経平均は14時10分過ぎに356円安の27,637円まで持ち直した後やや下げ幅を広げると結局398円安の27,594円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

TDK(6762)が13.5%高となりました。電気自動車向けの受動部品やスマートフォン向けなどのセンサーの販売が堅調だったことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で42.4%増となり市場予想も上回ったことで大幅高となりました。セントラル硝子(4044)も5.3%高となりました。第1四半期決算を発表し、金属加工部品の洗浄や住宅の断熱材などに使うフッ素系化合物などの販売が増えることなどから上期の営業利益の見通しを30億円から60億円に上方修正したことで大きく上げました。大塚商会(4768)も15.6%高となりました。上期6ヶ月間の営業利益は前年同期比で7.4%減となりましたが、第2四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で2.7%増と増益に転じたことで買いを集めました。東証スタンダード市場ではワークマン(7564)が一時3.9%高となりました。気温が高くアームカバーなど猛暑対策の小物や夏物衣料、サンダルなどが好調だったことなどから7月の既存店売上高が前年同月比で5.8%増だったことで買いが優勢となりました。

一方で第1四半期決算を発表し通期の営業利益の見通しを下方修正したJSR(4185)や大阪瓦斯(9532)が売られました。JSRはディスプレー材料の出荷が落ち込むうえ、医薬品の開発・製造受託事業での新工場の稼働計画を見直したことなどから通期の営業利益の見通しを575億円から560億円に引き下げたことで18.6%下落しストップ安となり年初来安値を更新したほか、大阪瓦斯も米国にある液化天然ガスプラントのフリーポートが火災の影響で6月から操業を停止していることなどから通期の営業利益の見通しを1065億円から430億円に下方修正したことで一時5.5%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は398円安となりました。昨日の米国市場が利益確定の売りが出て反落となったことやドル円が円高となったこともあって売りが優勢となりました。また、ペロシ米下院議長が台湾を訪れるとの報道を受け米中関係の緊張が高まることを警戒した売りが出て下げ幅を広げました。しかし、200日移動平均線(27,563円)をサポートに節目の27,500円を前に下げ渋りました。今週は決算発表が一段と本格化しますが、こうしたなかで決算発表を支えに明日以降も引き続き200日移動平均線を維持できるかがポイントとなりそうです。

なお、本日も引け後にはダイキン工業(6367)や三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)などが決算を発表する予定で、2日の米国でもキャタピラー(CAT)やアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、ウーバーテクノロジーズ(UBER)などの決算発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)