【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 32,197.59 △436.05 (7/27)
NASDAQ: 12,032.42 △469.85 (7/27)
1.概況
米国市場はパウエルFRB議長の会見での発言を受け先行きの利上げ減速を見込んだ買いが入り大幅反発となりました。103ドル高でスタートしたダウ平均はその後も堅調に推移するとFOMCの結果発表を受けて急速に上げ幅を広げ一時は574ドル高まで上昇しました。その後引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局436ドル高の32,197ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も469ポイント高の12,032ポイントと4%余り上げ今年最大の上昇率となっています。
2.経済指標等
米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り0.75%の利上げを決め、インフレ抑制を優先するため今後も利上げを継続する見通しを示しました。その一方でパウエルFRB議長は会見で累積的な金融引き締めの効果が経済とインフレにどのように影響しているかを評価しながら利上げペースを緩めることが適切になるだろうと述べています。また、6月の米耐久財受注額は前月比1.9%増となり市場予想を上回りました。6月の中古住宅販売仮契約指数は前月比8.6%低下の91.0となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもコミュニケーション・サービスが5%余り上昇したほか、情報技術も4%以上上げ、一般消費財・サービスも4%近く上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では決算で2023年6月期は売上高、営業利益ともに2桁の成長率が続くとの見通しを示したマイクロソフト(MSFT)が6%以上上げ上昇率トップとなったほか、セールスフォース(CRM)も5%を超える上昇となりました。ウォルマート(WMT)とウォルト・ディズニー(DIS)、アップル(AAPL)、インテル(INTC)も3%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外ではグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)が決算で広告収入の伸びが市場予想を上回ったことで7%を上回る上昇となっています。また、他の主力ハイテク株も上昇が目立ちフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)と電気自動車のテスラ(TSLA)、動画配信のネットフリックス(NFLX)が6%以上上げ、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も5%を超える上昇となりました。
半導体株も米上院が半導体の生産や研究開発に527億ドルの補助金を支出する法案を可決したことで高くエヌビディア(NVDA)が7%を上回る上昇となり、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も5%以上上げています。マイクロン・テクノロジー(MU)とウエスタンデジタル(WDC)も3%を超える上昇となりました。
5.為替・金利等
長期金利はパウエルFRB議長が会見で将来的に利上げペースを緩める可能性に言及したことで0.03%低い2.78%となりました。ドル円は136円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,000円を回復できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)