今週はFOMC(米連邦公開市場委員会)が予定されています。マーケットは政策金利75ベーシスポイント(0.75%)の引上げを織り込み済みだと思います。しかし、過去を振り返ると、暗号資産市場は発表後、素直に反応し、その後動き出す(初動で売られて、その後リスクオンで反応する)場合が多く見られました。私は今回も同様の値動きに期待しています。

また7月28日(木)は、米国4-6月期のGDP発表です。市場予想は+0.5%となっており、市場予想通りプラスとなれば問題ないでしょう。前回の1-3月期の米GDPは-1.6%でした。予想に反してマイナスに触れますと、2期連続でマイナスとなります。そうすると米国経済のリセッション入りの懸念が広がり、市場はリスクオフのムードが高まるでしょう。

BTC(ビットコイン)はFOMCまで調整局面が続く見通し

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足チャート分析から始めます。

現在(7月25日午前執筆時点)、サポートラインを上抜けしていたポイントから再び下に割り込んできているため、もう一段安の可能性がありそうです。ターゲットはSMA30(1ヶ月移動平均線)にタッチするあたりでしょうか。

今週の買い場はSMA30サポートからだと考えていますので、日足ベースではこの水準まで待ちたいところです。現在のSMA30は287-288万円で推移しています。今週前半はこのあたりの価格帯を意識しておくと良さそうです。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いて、BTC/JPY4時間足です。

日足でSMA30にタッチした後の展開を予想したいと思います。高値から徐々に切り下げてきた下降トレンドラインが引けますので、今度はこの下降トレンドラインブレイクか否かに注目したいところです。

この下降ラインを上抜けしますと、再度高値をうかがう展開が予想されます。その場合、325-330万円を意識した利益確定を準備しつつ、第2のターゲットは340-350万円(約25,000ドル)となってきます。この2つの利食いポイントを意識しながらトレードしたいところです。ストップは、直近安値割れでしょうか。

250-260万円割れの場合は撤退を意識しつつ、リスクリワードを考慮した上で短期的なトレードが良いと考えています。

ETH(イーサリアム)は大型アップデート「The Merge(ザ・マージ)」期待で上昇

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

先週、ETHは強い値動きが見られました。SMA90(3ヶ月移動平均線)に何度か阻まれている状況ですが、日足のレジスタンスラインを何度も上抜けてクローズしており、上方向への意欲が強いように思います。

9月に大型アップデート「The Merge(ザ・マージ)」を控えています。このアップデートによって、マイニングアルゴリズムがプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行し、送金手数料など、ガス代が大きく削減できるとされています。さらにPoWで出るマイニング量が大きく調整されるようです。

【図表4】ETH/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPY4時間足です。

トリプルトップを形成し始めており、ネックラインに向けて下降中と見られます。20万円台のサポートラインを割り込みますと、多少のストップロスを巻き込んで下落しそうです。私はこの4時間足のSMA90ラインから拾いたいと考えています。今週中にどこかのタイミングで押し目を作らないか注目しています。

高値圏でのもみ合い相場が続いており、既にMACDが0.00ラインまで下落しつつあります。あと数日間この20-22.5万円の天井圏で推移しますと、アク抜け感が出てしまうでしょう。そのため、押し目を作らないまま再度高値を更新し、上昇トレンド再開となるパターンも考慮した上でトレードしたいところです。その場合、20万-20万5000円付近での打診買いパターンと、SMA90で本命の押し目買いパターンの2つの戦略で臨むと良いのではないでしょうか。

私は、ETHの大型アップデート「The Merge」に期待しており、マーケットはETHの悪材料をほとんど織り込み済みだと考えておりますので、強気目線を堅持しています。しばらくETH中心の買いトレードを継続したいと思います。