【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 31,899.29 ▼137.61 (7/22)
NASDAQ: 11,834.11 ▼225.50 (7/22)
1.概況
先週末の米国市場は米PMIが好不況の分かれ目となる50を割り込んだことで4日ぶりに反落となりました。131ドル高でスタートしたダウ平均は直後に182ドル高まで上昇しましたが、伸び悩むと上げ幅を縮めマイナスに転じ下げ幅を広げました。午後に入って305ドル安まで下落したダウ平均は引けにかけて持ち直したものの結局137ドル安の31,899ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も225ポイント安の11,834ポイントとなっています。
2.経済指標等
7月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は47.5と前月から低下し景気の拡大と縮小の節目となる50をおよそ2年ぶりに割り込みました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、コミュニケーション・サービスが4%を超える下落となったほか、情報技術も1%以上下げています。また、エネルギーも1%近く下落しています。一方で公益事業と不動産、生活必需品の3業種が上げ、公益事業は1%を上回る上昇となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では決算が市場予想を上回ったアメリカン・エキスプレス(AXP)が2%近く上げ上昇率トップとなったほか、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)も1%を超える上昇となりました。一方で通期の利益見通しを下方修正したベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)が6%以上下げ下落率トップとなり、インテル(INTC)も3%を上回る下落となりました。ナイキ(NKE)とボーイング(BA)も2%以上下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)が決算で売上高が市場予想を下回ったことで急落し40%近く下落しました。グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)やフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)にも売りが波及し、アルファベットが5%以上下げ、メタ・プラットフォームズも7%を超える下落となりました。また、半導体株の下げも目立ちウエスタンデジタル(WDC)が6%を超える下落となり、エヌビディア(NVDA)も4%安となりました。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とマイクロン・テクノロジー(MU)も3%以上下げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.12%低い2.75%となりました。ドル円は円高に振れ136円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。短期的な過熱感が意識されるなかで日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)