今週(7月15日~7月21日)の相場動向

相場回顧 BTC:PoS移行が近いイーサリアムの強い値動きに連れ高

ビットコインは堅調に推移した。イーサリアム財団のコアメンバーがPoS移行に向けた具体的なスケジュール目標を発表し、イーサリアムがアップデートへの期待から強い値動きとなったことを受けて、ビットコインも連れ高した。セルシウスやボイジャー・デジタルなど暗号資産関連企業の経営破綻も落ち着き、悪材料の出尽くし感も意識された。BTC=305万円(22,000ドル)付近ではもみ合う展開となったが、7月19日の米国株が企業の好決算により大幅高となると同様に買いが強まった。そのようななか流動性ステーキングで人気を集めるリド・ファイナンスがサービス拡大の計画を発表したことや、ギャラクシー・デジタルのファンドがイーサリアムを購入したことなど、好材料が相次いだことでイーサリアムの上昇は続き、ビットコインもBTC=332万円(24,000ドル)付近まで上昇した。その後、テスラが2022Q2で保有するビットコインの75%を売却していたことが伝わり、やや売り優勢となった。

 

来週(7月22日~7月28日)の相場予想

BTCは米FOMCを前に積極的な買いに動きづらいが、あく抜けは近いか

金融市場では、米国における景気後退懸念が意識されるなか企業決算の発表がスタートし、その内容に注目が集まっている。来週はアルファベット【GOOGL】やアップル【AAPL】、アマゾン【AMZN】といった大手ハイテク企業の決算発表を控え、これらをはじめとする企業決算が好調となった場合には株式市場とともに上昇することが考えられる。一方、来週は米FOMCで0.75ポイントの利上げが予想されているが、それを上回る1ポイントの利上げとなった場合には金融引き締め加速により売りが強まるだろう。6月の米個人消費支出で購買行動の堅調さが示されるかにも注目である。

暗号資産市場ではイーサリアムの大型アップデートへの期待によって相場が持ち直している。暗号資産関連企業の破綻懸念も後退し、ビットコイン保有企業による売却もこなしつつあることから、相場のあく抜けも近いと思われる。米FOMCを前に積極的な買いは手控えられるだろうが、企業決算や経済指標などを受けて株式市場が堅調に推移した場合には同様に強い値動きとなるだろう。

直近上値としてはBTC=346万円(25,000ドル)、下値としてはBTC=277万円(20,000ドル)を意識する。


※1ドル=138.5円で換算(執筆時点)