【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 31,827.05 △754.44 (7/19)
NASDAQ: 11,713.15 △353.10 (7/19)
1.概況
米国市場は7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げが1%になるとの見方が薄れるなか景気敏感株やハイテク株など幅広い銘柄に短期的な戻りを期待した買いが入り大幅反発となりました。93ドル高でスタートしたダウ平均は寄り付きを安値に一日を通して大きく上げ幅を広げ引け間際に769ドル高まで上昇すると結局754ドル高の31,827ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も353ポイント高の11,713ポイントとなっています。
2.経済指標等
6月の米住宅着工件数は年率換算で前月比2.0%減の155万9000戸となり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもコミュニケーション・サービスと資本財・サービス、エネルギー、素材、一般消費財・サービス、情報技術、金融が3%以上上昇し、不動産も3%近く上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中28銘柄が上げました。そのなかでも納入停止中の中型機787を5機受注したと発表したボーイング(BA)が5%を超える上昇となったほか、ゴールドマン・サックス(GS)とナイキ(NKE)も5%以上上げています。キャタピラー(CAT)とウォルト・ディズニー(DIS)も4%を上回る上昇となり、ダウ(DOW)とインテル(INTC)も4%近く上げています。一方で通期のフリーキャッシュフローの見通しを引き下げたIBM(IBM)が5%を超える下落となり、通期の業績予想を引き下げたジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も1%以上下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株の上昇が目立ち動画配信のネットフリックス(NFLX)とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)が5%以上上げ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)も4%前後の上昇となっています。なお、取引終了後に決算を発表したネットフリックスは世界の有料契約者数が予想ほど減らなかったことから時間外で一段高となっています。
また、半導体の国内生産拡大に向けた米政府の補助金520億ドルと投資税額控除を含む法案が早ければ19日にも米上院で採決されると伝わったことで半導体株も高く、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とエヌビディア(NVDA)が5%を超える上昇となり、クアルコム(QCOM)も4%高となりました。マイクロン・テクノロジー(MU)とウエスタンデジタル(WDC)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)も3%以上上げ、半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)も5%を上回る上昇となっています。
さらに米疾病対策センター(CDC)がクルーズ船を対象にした新型コロナウイルス感染の監視プログラムを廃止したことでカーニバル(CCL)やロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)、ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)が高く、カーニバルが7%を超える上昇となり、ロイヤル・カリビアン・クルーズも6%近く上げました。ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングスも3%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%高い3.02%となりました。ドル円は138円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の27,000円を大きく超えてきそうで、どこまで上値を伸ばすことができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)